シェル=シール―無彩のレリオス―
キャラクター紹介

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キャラクター紹介 ※最終話終了後


主人公と味方

レリオス・オ・モノン(Leriosse O Monon)

 本作の主人公。褪せたような白金髪に紫の瞳をもつ、やや長身の18歳。ジェイド国の通称『無彩の街』スタ出身で、街の人々同様感情が上手く働かない。
 アンドロイドのウィシアと出会い、完全に街の雰囲気に染まる前に思いとどまれたが、同時に出くわした知人のルフに巻き込まれてしまう。
 父は鉱山での作業中に行方不明、母は街に染まって感情をなくしている状態。父は元『義勇軍』の一員だったというが――。
 ほぼ無表情で、感情の波が少しずつ動き始めてきた少年。どうもルフの事を毛嫌いしている。

ウィシア・エメル(Wishia Emmel) 型式エレメンツ・ハールツ五二一六三

 《天恵の魔石》を動力源に活動するアンドロイドの一機で、感情を宿す『魔的人工生命体』で、人間のように怪我を負って血を流すなど、人間に近い体の擬似生命型(ホムンクルス)に分類されている。ちなみに天恵魔術も使って戦えるため、魔術戦闘型でもあると、分類だけで複雑になってしまう少女。
 早い話現在人間に一番近いアンドロイドの型式で、なおかつ魔術による戦闘も行える、本来なら軍事兵器として活用される型式。ちなみに本人はその事を嫌っている。
 起動してから十一年=十一歳で、標準的な16歳の身長と体形。長い金髪をツインテールに結わき、桃色の瞳は大きく潤っている。ツインテールは自分が好きだからだそうだ。
 よく感情をころころと動かし、喜怒哀楽がしっかりしている。子供さながらの感情表現だが、言う事はしっかりと理屈が通っている少女。

ルフ(Luf)

 《隕石》が落下してから最初に生まれた種族、ヴィオスの少年。レリオスとは旧友のように接しているが、めちゃくちゃ嫌われている。そしてそれに動じていない上、自分を卑下しつつ他人もけなしていく発言は収まる気配がない。よってレリオスは拳銃を向けるの悪循環。
 エメラルド色の瞳に茶髪の髪。細身で筋力もしっかりとある上、幼い男の子のような顔立ちをしているが、どうもさりげなく上から目線のような表情が拭えない。
 レリオスの父が所属していた『義勇軍』メンバーであり、ヴィオスのみで結成されている裏社会の監視組織『隠れ猫』のメンバーでもある。知恵がくるくると回って、よくその場の思いつきで行動をする。そしてレリオスに拳銃を向けられる。
 レリオスの過去に詳しいためか、彼の閉ざされた記憶に違和感を持っている様子。

アルセ・イレクス(Alce Iraxe)

 下水道から通じる地下シェルターに隠れ続けていた『義勇団』メンバーの生き残りの一人。二十二歳で、一まとめに縛った茶髪に青い目。地上にいた頃はレリオスの幼馴染であり兄貴分であり、当時病弱だったレリオスの一番の理解者でもあったという。
 長年同じ人々と連れ立って生活していたために、やや精神が幼い部分がある。それでも剣や天恵魔術の腕前は抜きん出ており、短気で子供っぽい所以外はとても頼れる。全体を把握した連携を得意としており、彼と同じく生き残った『義勇団』の大人達からも頼られているほど。
 幼馴染であったレリオスの記憶がなくなったという事実に疑いを持ち、レリオスが本物ではないという言葉を浴びせる。レリオスが弟分に摩り替わったと信じて疑わず、疑心の目を向け続けている。

ベルタ・レーゲン(Bellta Ragen)

 タチイ・レーゲンとセシリア・レーゲンの一人娘。十年前の改革から逃れた両親と共に、スタの自然区の奥地に隠れ住む。十五歳。
 白金髪の髪を三つ編みにしており、武器は巨大な輪刀『月影閃(ナイト・ブライト)』。母の武器を使いこなす、血の気が盛んな夢見る乙女。
 十年前の改革が原因でアンドロイドを毛嫌いし、延長線上でウィシアの事も好きになれない。またずっと惚れていたレリオスへは再び憧れの目線を見せるが、一緒についてきたウィシアの事はやっぱり気に食わない。何かと理由につけてウィシアの事を目の敵にしている面があり、理由はさておき見抜いたレリオスは彼女を仲間に加える事を拒否する場面も。それでやや落ち込んだりもしたが、『義勇団』生き残りが蜂起した事をきっかけに援護に加わる。

敵対的なキャラクター


ディード・スィリー

 『無彩の街』スタの第十一代目で現領主。婿養子として下の階級に追いやられ、世襲の際に実力で勝ち上がった男。
 十年前の改革の張本人で、スタの住人から感情を奪い去り、街をアンドロイドに仕切らせる方針を採った。『義勇軍』の敵対者であり、『隠れ猫』からも注意を向けられていたため、十年前に内紛が起こった。
 

スターリ

 ウィシアに《天恵の魔石》を仕込んで機械人間にし、人質を使ってアルセを動かしていた黒幕の貴族。相当な年齢を重ねており、長年スタの領主に仕えてきた。アンドロイドに任せて自分の考えを何も持たず、ただ周りの言う事だけを聞いて批判ばかりをするスタのほとんどの領民に失望し、また領主の指揮力のなさにも思うところを持ち続けてきた。
 領主の補佐であるはずの貴族内が十年前に意見を分裂させてしまい、当時は領民側についていたという彼も、周りの同志が分裂相手に何かしら吸収されてしまう実態に嘆き、分裂相手にわざと便乗。感情を奪う光≠フ暴発を予測しており、自ら地下のアンドロイドと生態実験室の担当を担って難を逃れた。その後に反発する貴族らを抹消したり、スタから逃げ事実を広めかねない『義勇団』メンバーには圧力をかけて痕跡を消すなど周到な面を見せる。
 ただ世界に失望し、自らとスタを道連れにしようとした老人。
  

キーキャラクター


リシェル・オ・モノン(Lishell O Monon)

 レリオスの母。46歳、金髪に蒼の瞳で、割と小柄な女性。
 最初に感情を消された被害者で、感情を奪われる前はしっかり者のお母さん。明瞭快活でありながら、言葉遣いは女性らしい純粋な人だったという。ちなみにルフ談。
 ちなみに10年前までレリオスに黙って、本人が好きなシフォンケーキを合計15カット盗み食いしていたらしい。

アブル・オ・モノン(Able O Monon)

 レリオスの父。茶髪に紫の瞳で、工夫の仕事を主としていた。がっちりとした体格でありながら、やる事なす事とにかく人をからかって遊ぶ主義の自称お茶目ダンディーですねとルフ談。
 ちなみにリシェルを口説いたその文句は「世の中俺ほど面白い人間はほかにいないぞ。というわけで結婚してくれお願いします」だったという。これはレリオスが母の部屋の日記帳から見つけ出していた。

インブン・シェイント(Inven Sheint)

 スタで唯一心を保っていた変人の魔工製品修理工場長。職員は彼だけ。
 白髪交じりだが分からない銀髪で、眼はオールドブラウン。眼鏡をかけたしわくちゃの老人で、68歳。
 気難しいようで知人には親しく話してくれる、冗談好きなおじいちゃん。魔工製品に目がなく、アンドロイドの調整も受け付けている。
 彼の感情を消さないのは、機械に関しては思考と感情を両立させねば見えるものも見えんわという渇がディードに通じたらしい。
 元々ディードはインブンに修理を依頼する機械が多かったので、そのために彼の感情まで消す事をしなかったのではと、ルフは考えているようだ(実は感情を奪う光≠ェ放たれた際地下にいたため無事だったという)。
  

『義勇団(ブレイバル)』メンバー


タチイ・レーゲン

 ベルタの父。十年前の改革から逃れ、娘や妻セシリアと共にスタの自然区の奥に身を潜めていた。凄腕の狩人で、十年前から既に狙った獲物を逃がさない、ライフルに匹敵する弓使いといわれていたほど。娘に妻の血が濃く出たおかげで、実は泣いていた場面もあったという。

セシリア・レーゲン

 ベルタの母。輪刀『月影閃(ナイト・ブライト)』と天恵魔術を使いこなす屈指の女性ファイター。華奢な見た目以上の威力を発揮する上、広範囲を攻撃する事を得意としているため、『義勇団』でも名の知れた凄腕の元傭兵。タチイに呼び止められてスタに住まうようになって以来、彼との交際も始まったとかそうでないとか。味方と確信できるまでの冷たい口調から一転、穏やかで優しい母のような声を響かせる女性。

マーフ

 地下シェルターに隠れていた『義勇団』生き残りの一人で魔工技師。やや低い身長に褐色の肌、伸び放題の無精髭に無骨漢な雰囲気と、まるで神話に登場するドワーフ属のような容姿。実はあだ名も「ドワーフおじさん(byアルセ)」。
 義理人情に厚く子供が大好き。昔から面倒を見ては自分の子供のように世話を焼いているため、地域の子供達からも大人たちからも信頼が厚い。これでも昔の夢は保育士だったという。

モリー

 地下シェルターに隠れていた『義勇団』生き残りの女性。中年でふくよかで、近所のおばさんを体現したような暖かい雰囲気。レリオスが本物だと信じ、お帰りと言ってくれた。
 マーフと同じく面倒見がよく、孤児となった子供達の親代わりを勤め続けてきた。アルセもモリーにだけは頭が上がらないらしい。

トラント・カマラ

 11歳と幼いながらにライフルを扱う『義勇団』の少年。ガンファード訛りという独特の方言を話す。姉のパティからいつも「トントン」と称され、その度に切れている場面も。まだまだ身長も小さく成長は見送りのようだが、かわいらしい騎士の卵。両親は赤ちゃんの時に戦死している。

パティ・カマラ

 12歳頃に見えるがこれでも16歳の少女。『義勇団』メンバー。弟のトラントとは結構に仲が悪く、けれどたった一人の血の繋がった家族という事もあって世話焼きが耐えない。ルフの事を生粋の猫と疑わず、妖精となった猫が人間に変身したからあの姿なのだという妄想を現在も抱いている(パティの生まれた頃にはヴィオス族はルフぐらいしか見かけない町並みであったため)。ルフが一番苦手としている相手。

セレ・イレクス

 アルセの双子の妹。髪の色が栗色なのは、二卵性双生児であるがため。目の色はアルセと同じ青色だが、こちらのほうがやや緑がかっている。
 モリーと同じように孤児の面倒を見ているが、彼女とアルセもまた、両親と地上で離れ離れとなり孤児となっている。十年前の抗争が原因で上の兄を亡くした後から、アルセの様子がややおかしい事が気がかりな様子。


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