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幻生生物・オリジナル設定紹介

[ 9/22 ]

※現段階公開しているシナリオに合わせて設定を公開しております。

じゃんぷ          わ

合成幻獣(アニマルキメラ)

種族:幻獣
属性:個体による
主従契約:個体による
契約済:個体による

 動物の各パーツをそれぞれ合わせたような複合幻獣の名称。第1話にて隻の前に姿を現したのは兎に蝙蝠の比翼をもったもの。他にも色々な組み合わせがあり、大雑把なジャンル分けのようだ。
 合成獣として名高いキメラ(キマイラ)をこの枠内に入れるかは議論が分かれている。

アヤカリ

種族:幻想武具(不定形)、アンデッド
属性:水
主従契約:翅(創造主)
契約済:なし
 
 体が水(または海水)でできている無機物系の幻生生物。知能をもち、契約者との意識共有ができる。持ち主が念じるだけで性質から望んだものに変わることができる。自分の意思で変化もできる。元々は亡霊船のアンデッド系武具という設定の為、姿形を意図的に見えなくする事も可能。こざかしい設定の割に性格は明るくお喋り。翅を慕っているがあまりにも騒がしいのでよくうざがられる。翅が初めて作ったオリジナル幻生生物。

インヴェロス

種族:幻獣(グリフィン)
属性:風
主従契約:天理
契約済:なし

 銀の羽毛と空色の瞳を併せ持つ、珍しい色のグリフィン。聡明で、従来のグリフィンのような獰猛さがあまりない。過去自分と契約をしたいと、一人で申し出てきた天理を気に入り、以来行動を共にしてきた。十年間呼び出されなかった現状に、天理は死んだのかもしれない思いを抱えつつ、幻境にてもう一度呼ばれる日を待ち続けていた。

I(インテリジェンス)B(ブレイン)C(コア)スライム

種族:魔法生物
属性:水?(変化時は変化した対象による)
主従契約:天理(創造主)
契約済:なし

 知能を持ったスライム。自らの体のほとんどが水分で、同時に幻術で水分と形を保っている。幻術の構成を自ら理解し書き換える事で、別のモンスターの姿をとって行動する事もできる不定形モンスター。ただし見た目を変えても知能はそのまま。学習能力がある割に、変化しても本能に頼る所も大きい。
 生物に変化する場合は相手のDNA(血とか体液とか)を取り込む必要がある。そこから幻術の構成を解析するなどして変化可能になるが、能力は取り込んだDNAの持ち主が体得している限りしか使えない(天狗のDNAを取り込んだからといって六神通全て使えるわけではないという事)。
 最大の弱点はスライムの術式(コア)。どんなモノに変化しても必ずスライム本来の術式が記録されているスライム状の部分が存在しており、そこの術式に傷をつけるか完全に壊す事ができれば消失する。また分裂体は本体の意思に関係なく行動できるが、本体が倒れた際、分体全て消失する形になる。
 体のほとんどが水分なので、スライム状に戻った際は火や雷系の攻撃に弱い。吸湿性と湿気の収集力に優れているが、乾燥した場所を嫌う(変化した場合は変化したモノの弱点が有効)。
 基本的に創造者である天理の命令しか聞く事がなく、命令外の行動は自分の身を守る以外に使わない。また、分裂体の中には天理の幼少期の姿をとるものもいる。創造主の天理からは「いぶしスライム」と呼ばれていた。

エヴェイユ

種族:幻獣(ワイバーン)
属性:風(ブレスによる属性攻撃あり)
主従契約:千理(創造主)
契約済:なし

 小型の飛竜、ワイバーンをモチーフに千理が作り出した幻生。夜の暗闇の色から、夜明け色のようなグラデーションが特徴的。比翼と一体化した手の爪による攻撃や尻尾、黒いブレス、噛みつきなどで攻撃する。誇り高く気性が荒いも、仲間と認めた相手の要望にはかなり応えてくれる。猫が大嫌い。

海浪月(かいろうげつ)

種族:武具(刀)
属性:水
主従契約:海理(創造主)
契約済:なし

 海理の愛刀で相棒。海水が滴る刀で、水龍と月のレリーフが彫り込まれた、多少凝ったデザインで創られている。製作者である海理は、この刀の設定は「とりあえず海の刀」とだけ設定。普段の周到さに比べて随分とアバウトな出来だが、何かと理由をつけては呼び出し、肩に担いでいる姿が見られる。武士好きな海理には欠かせない(?)相棒。

学校の怪談

種族:個体による(アンデッド、悪魔、魔法生物が主)
属性:個体による(呪い、闇、火、水など)
主従契約:個体による
契約済:個体による

 学校に住まうか、学校内・学校関係者らに語られることで力をつけ、危害を加える幻生達の総称。有名なものや、地方で生まれたマイナーなものなど、数多く存在。また同じ怪談であっても、沢山の追加設定≠ノより、亜種が多く存在する例もある。代表的なものは「花子さん」。「トイレの花子さん」が有名で、亜種らしい怪談に「ロッカーの花子さん」がある。また、「人体模型」、「夜中に動く人物画」、「学校の十三階段」などもある。
 特に東京など都市部は地方からの怪談話が集まりやすく、様々な怪談がごちゃ混ぜに住み着いている。元々学校内で流行る気質のためか、外部の幻生(怪談含む)を敵視しやすい。怪談の寿命を学校で流行る期間とするなら、マイナーものであれば、1年〜数年単位程度。おおよそ3、4年であることが多く、ほとんどがその年の生徒が流行らせ、全員が卒業する3年後には忘れられ、怪談が一度消失する。根強く話されるほど力を増し、人に危害を加えてしまうため、討伐部隊である《対アンデッド》、《対悪魔・魔獣》が、夏場を中心に夜の学校を警備している。
 ここでは、本作オリジナルの怪談について説明する。

・下駄箱の絵の具文字

 夜間学校潜入初日、千理が下駄箱で潰した怪談。本来は下駄箱に住み着いた怪談が、赤い絵の具で夜な夜な不可解な文字を書き、夕暮れ以降、下駄箱の使用者が絵の具に気づいた時から怪談が発動する。下駄箱の使用者以外が見つけると、翌日からその人の下駄箱にも移動して絵の具が塗られるように。その後どうなるかは特に設定していないが、呪い、脅かし系の怪談である。核である幻生は夜中に絵の具で文字を書くため、それが絵の具文字を書いている最中に潰せば、怪談を倒せるようだ。

・携帯電話の通じてはいけないダイヤル

 とある学校の怪談に巻き込まれ、行方不明になった者に電話をかけると発生する、「怪談に寄生する」怪談。怪談に囚われた者が携帯を持っていると、電話番号は存在するが必ず繋がらない番号≠ニなってしまう事から、行方不明者が増えた地域の学校で噂になり、怪談化。
 行方不明者に電話をかけた時、応答メッセージが途中でノイズにかき消される。ノイズを最後まで聞くと、次の日忽然と姿を消してしまう。霊能力が強い人間は、ノイズに違和感を感じることができるが、その分早く電話を切らないと魂(または意識)を抜かれてしまう。抜け殻となった体はその日の夜、どこかの建物の人目に付かない場所で、人知れず自殺してしまうという。
 退治方法は不明だが、怪談が発生したかどうかは、勝手に押されたダイヤルの音と、いつの間にか発信通知番号が「4」の羅列になっていることで分かる。行方不明者が帰ってくると、携帯番号はいつの間にか元通り使えるようになる。電話の中に潜む悪魔の怪談。

ゴースト

種族:アンデッド
属性:個体による
主従契約:個体による
契約済:個体による

 死してもなお魂をこの世に留めるアンデッドがゴースト。特に、肉体に魂を留めず、霊魂のみで浮遊する死霊を指す。生き霊は含まない。
 多くが生前の姿で可視化される。年齢はそのゴーストが一番印象深い時の容姿となることもあれば、死ぬ間際の姿でゴーストになるなど、個体によって千差万別。また、ラップ音やポルターガイストと呼ばれる現象などを使って、人を脅かしたり、生きている頃と変わらない生活をするものも。幻術使いがゴースト化すると、ゴーストも一応幻生である事から幻術が使える。ただし力量に寄っては大幅に力が衰える上、生に執着していた幻術使いが暴れた場合、退治の対象となる事もある。
 ゴーストにも様々な分類があるが、今回は極夜の間奏曲に登場した幽霊の特徴をまとめる。

・海理・N・レーデン

 千理の兄が死後、幽霊となっていたその霊魂。ある日何者かに殺害され、父と共に亡き人に。姿はなくなったその当時、十六歳のままで、かつていつきが誕生日にプレゼントした、彼手製の荒波文様の袴を来て現れる。
 ポルターガイスト現象でものを移動させる事が多い。強力な幻術使いでもあったので、幽霊となった今でも幻術を多彩に扱える。身体強化で、霊体でも現実のものに触れられるようにするなど、生活ぶりは生前と大差ない。十年間こっそり生活していたために、千理にばれていた事に衝撃が走ったとかどうとか。

・地縛霊(じばくれい)

 死んだ後、未練が残ったその土地に縛られて、成仏できずに居着いてしまった霊の事。海理のようなただの死霊であるなら、制限はあるがある程度自由に移動できるが、地縛霊はその土地、建物などに執着しているため、その場を離れられない。夜中の学校で、海理に脅された少年の霊は、まさしく典型的な学校の地縛霊。ポルターガイストやラップ音を使える上、執着するものによっては、条件次第でやたら強く反抗してくる厄介な霊。

・小林 青慈

 海理と同じく、死んだ後幽霊となっていた霊魂。海理ほどポルターガイストや身体強化を使って現実に干渉する事はないが、死してもなおソロモンの七十二霊を味方にする。母にこき使われる姿が目立つのは、六年前、翅達に幽霊として遺っていたことがバレたため。燕尾服かつ染めた金髪のまま現れる、母そっくりになったせいで女顔な幽霊。

作楽呑(さくらの)

種族:幻獣
属性:なし
主従契約:悟子(創造主)
契約済:なし

 悟子をこよなく愛する巨大桜貝。年々成長しており、その大きさは軽く人間を越えている。温厚で優しい性格をしていて、あまり攻撃をする事を好まない。代わりに守りが堅く、貝殻は鉄壁を誇っている。体内は異次元空間化しており、召還されて最初に体内に招いた者が描いた空間を体内に作り上げる。主に旅行、家出の際に呼び出される。

白尾ノ鴉(しらおのがらす)

種族:土地神、幻獣(カラス)
属性:風
主従契約:沙谷見相次郎?
契約済:不明

 沙谷見相次郎に仕えていたという、尾が白い鴉。とても賢く元どこかの土地神で、戦時中焼け野原になった土地にて、ご神体である石を抱えて途方にくれていた。そこを相次郎に助けられ、以来沙谷見家の土地神ならぬ家神に。
 普通のカラス達に頼んで情報を集めたり、土地神同士の情報などを調べたりとかなりの情報通。隻と隼の事を「坊ちゃま」と呼び、主君の次代として慕っている。隼は昔から自分の事を見て構ってくれていたため愛着があり、隻は最近見えるようになってくれたため大喜び。
 朗々とした発音と、おじいちゃん執事を思わせる大仰な動きが特徴。言動があちこち人間臭い。お辞儀をすると尾の白羽が覗き、白い冠を頂いたように見える。

清羽(セイハ)

種族:幻獣(不死鳥、フェニックス)
属性:火、風、聖
主従契約:正造
契約済:多生、千理(仮契約)

 レーデン家に仕え続けている、白い羽に包まれた不死鳥。勇気ある者にしか仕えず、清羽に認められた者がレーデン家次期当主となる。多生だけでなく、千理の兄、海理と、二人の父正基も認められていたが死去。その結果現在、時代の当主候補に空席が続いている。
 アンデッド、鬼、悪魔に対して絶大な攻撃力を誇る。清らかな鳴き声で味方を勇気づけ、癒しの涙で傷口を塞ぐ。勇気を持つ者にのみ従い、悪魔達を退けるため、異名は「守りの聖剣」。その場限りの勇気であっても、その時は助けてくれるという。

隻のバスケットボール(標準)

種族:道具(バスケットボール)
属性:なし
主従契約:あってないようなもの
契約済:あってないようなもの

 隻が唯一、いつでもどこでもとっさに完璧な形で出せる武器。一切思考などが設定される事はなく、隻の意思で自由にドリブルさせたり空中をとばしたりできる。刀に斬られた後、咄嗟に「刀で斬れないぐらい硬い材質のボール」で「軟性ダイヤモンド性バスケットボール」を製造。物理学と化学を丸無視した、まさに幻想(と隻の想像力)だからなせる、一応幻想武具。

・隻のバスケットボール(ダイヤモンド性)

 材質はダイヤモンドなのに弾性があるバスケットボール。翅に普通のバスケットボールを斬られてしまったためにその場の勢いで編み出した幻想武具。硬さは普通のダイヤモンドと遜色なく、斬られる心配が一気に減ったため、意外とこれだけでも戦える。
 一番の弱点は火に弱いこと(ダイヤモンドが炭素のみで作られているため)。

・隻のバスケットボール(雷撃付加)

 材質はゴムなのに帯電しているバスケットボール。ぶち切れていた隻が雷駆に頼み、標準タイプのボールに雷撃を落としてもらった事でイメージが完成。製造可能になった。
 ふれた相手に落雷を落とす避雷針のような役割が主で、そのほか感電させる事も可能。やはり物理学と化学を丸無視しているが、隻は頻繁に使っているようだ。

・隻のバスケットボール(毒付加)

 材質も能力も普通(に見える)バスケットボール。しかし内部には猛毒が仕込んであり(どんな毒かは設定されていない。とりあえず致死性〜麻痺レベルの毒)、敵の体内に取り込ませて、消化中にゴムが溶け、ボールから毒が染み出す仕組み。第32話で、幻術エネルギーを食らうワームが、火に耐性をつけたことで土壇場考案。意外と効いた。

節鬼(せっき)

種族:鬼
属性:なし
主従契約:不明
契約済:レーデン家の誰か

 節分の鬼をイメージして作られたも、よく豆を投げられると泣いて逃げていたほど弱かったため、いつの間にか呼び出される事がなくなった鬼。創造主はレーデン分家の誰か。
 自分の扱いがあまりにも不当だと怒って復讐しようとしたも、本当は自分にも幸福がほしかっただけ。誰かに愛される土地を求め、隻達から逃げた後は放浪中。
 図体がでかく、小さな鬼の角を一対額に抱いている修行僧のような姿をしている。福がほしいのに招き猫は自分を追い払う対象でもあるので嫌い。

ゼンス

種族:武具(甲冑)、魔法生物(ゴーレム)
属性:なし
主従契約:千理(創造主)
契約済:なし

 淡い蒼色の光を纏う銀色の西洋風な甲冑。自らの意志を持つ鎧人形。乗馬の際に使うランスを使って戦い、エヴェイユと共に空中戦で活躍。また千理が憑依し、甲冑の中に収まって共に戦う事も。物理攻撃しか行えない代わり、攻撃・呪い魔法は跳ね返す寡黙な守護者(ガーディアン)。
 以外とボケ担当。エヴェイユの世話もやっている。

千理のコピー少年

種族:魔法生物(複写人間)
属性:不明
主従契約:なし?
契約済:不明

 千理とそっくりで、自身を「本物の$逞掾EN・レーデンだ」と言い張る少年。威勢がよすぎる上に横柄に磨きがかかった口の悪さと、あまりにも好戦的すぎる上血の気が多すぎるため、隻達とは出会い頭で早速攻撃を仕掛け、本物扱いされている隻側の千理の実力を図る──もとい千理を倒そうとした。
 十年前、兄と父を亡くした現場にて千理の左腕が切り飛ばされたが、千理の偽物はその腕を媒介として、禁術で作り出された人間の幻生。創造主に出来損ない、本物にも勝てない、創らなければよかったなどと言われたショックで、偽物(まがいもの)扱いに過剰に反応してしまう。千理に勝てば自分が本物だと自らに言い聞かせ、千理を討とうとしたが、万理が「それでも千理が本物だ」と言った事で逆上してしまう。
 千理の左腕を媒介としているため、切り飛ばされる直前までの千理の記憶は共有している。しかし切り飛ばされた後は細胞に残された本能や、幼い思考のまま外界と接触する機会が少なかったため、子供のような我欲が強い。幻術使いとしての実力や身体能力、戦闘技能に至るまで千理の上を行くが、どうにも持て余し気味なようだ。
 実は本物と偽物(?)には、ある決定的な違いがあるとかないとか……。
 隻により、左理(ひだり)と名付けられた。

想耀(そうよう)

種族:幻獣
属性:なし
主従契約:万理・N・レーデン
契約済:レーデン家…千理、多生、正造ほか

 シマリスの幻生。喋る事ができる上に、呼び出した召喚主が詳しく知っているような、親しい相手を探す事ができる能力も持ち合わせている。
 元々はメスのシマリスで、子供達の遊び相手程度の役割だったものが、レーデンの広い屋敷で子供達が迷子になったり、目的の相手を探し出せない事が相次いだため、人探しの能力を得るようになった。
 また一度出会った幻生を探す事も可能。危険な幻生と見なされ、覚えているものに対しては大体どのような幻生なのかを主人に教える事もできる。
 のんびりとした眠たくなるような口調が特徴。返事は「あーい」。語尾は延び気味で、腹を立てている子を前にすると頭や肩に上って顔をさすさすと撫でている光景が見れる。ナッツをもらえると凄く喜ぶ。かなりの世話好き。

武討(たけうち)

種族:アンデッド(幻想防具)
属性:なし
主従契約:海理(創造主)
契約済:なし

 海理が愛用していた落ち武者の鎧。自ら意思を持ち、海理が憑依の形で鎧を着ずとも、自ら動いて戦う事もできる。納刀された腰の剣は海理の愛刀海浪月。武士言葉(?)と、どうにも不遜さが抜けない態度が特徴的。主と海理の事を慕う反面、乱暴な言動の彼には言いたい事もありそうだ。

立標(たひょう)

種族:幻獣?(とりあえず猫科)
属性:なし
主従契約:隻(創造主)
契約済:なし

 隻が初めてまともに(?)呼び出せているオリジナルの生物型幻生。子猫サイズにもなるが、隻を乗せるときや戦闘時には虎や豹のような大きさにまでなる。キジトラ柄の(きっと)猫科。
 喋る事はないが、隻には従順でよく懐く。隻以外の幻術使いに対して特に態度を見せる場面がなく、呼び出されるのも戦闘時や急な移動の時程度。しっかりと相手を見据える静かな目が印象的。

卵男爵(たまごだんしゃく)

種族:魔法生物
属性:なし
主従契約:なし
契約済:なし

 第26話にて登場した、ボールのように丸い男の顔。特段能力などを披露する間もなく滅せられてしまったため、詳細は不明。『鏡の国のアリス』に登場するハンプティ・ダンプティのような感じはあるが、本体は卵ではないようだ。殿様口調でちょび髭が生えている事が特徴的。

通せん坊(とおせんぼう)

種族:鬼
属性:なし
主従契約:不明
契約済:不明

 やたらでかい、二歳ごろの幼児の姿をした妖怪。塗り壁と同じく足止めをする事が可能。というよりほかの能力がまともにない。
 攻撃といえば通行止めをして行き場をなくしたものに倒れ掛かり、圧迫をかける事ぐらい。
 悪戯好きで、気に入った相手を足止めして遊んでもらおうとする。猫には一度引っかかれた事があるのか、もの凄い勢いで泣いて逃げる。

季忌命(トキイミノミコト)

種族:小神、鬼、アンデッド
属性:呪い
主従契約:なし
契約済:なし

 日本書紀、古事記に登場する母神、イザナミノミコトを母体として生まれ出た小神。古事記の、以下の伝承にまつわって作り出された神である。──「イザナミノミコトは死した後、夫神イザナギノミコトが冥界を訪れ、地上に戻るよう嘆願された。その時冥府の王に相談する条件として、『決して中を覗かない事』を夫に誓わせる。しかしその約束を破ったイザナギは、ウジがわく死体となり果てたイザナミの姿に命辛々逃げた。イザナミは『地上の人間を一日千人殺す』と宣言。対してイザナギは『一日千五百人生む』と宣言した」。
 この伝承のイザナミの、イザナギに対する怒りが季忌命を生み出したと言われる。時を経て想いを違える男女の前に現れ、最初に想い人を裏切った者≠ノ報復を与える。

留華蘇陽(とめはなのそよう)

種族:土地神、精霊
属性:木
主従契約:なし
契約済:なし

 かつては精霊でありながら神として祭られた、東京の片隅の神社に身を置く土地神。いけにえにされた人間に宿った後、土地神として自身が住まう神社に、生き仏として祭られる。寿命を迎え生き仏となってからは、時折やってくる旧友と近状を話したりする穏やかな日々だった。
 閉じられた目が開けられる瞬間は誰にも見せず、淡い桜色の髪を長くおろしている。静かに笑み、また穏やかに笑う中でよく人をからかう。意味部下を越えて遠回しな言動に、知り合いだという浄香もよく切れる。
 一年中散る事のない桜を持つ神社は自然と結界に隠され、現在は知る者以外寄る事も叶わない場所に。そこで何かを守り続けているらしい。

永咲緋謳(ながえざきひおう)

種族:仙人
属性:水、火、木
主従契約:なし
契約済:なし

 元々は霊薬の守護者の仙人。守護していた霊水は自らに流れる力で湧き出す水<永久の真水(詳細は用語集のページへ)>。別名<反言水>。
 広い知恵のため、レーデン家を初め多くの家の武術や知識を鍛え上げてきた。知恵を授けるのは人間として生活し続けるためと、旅をする事で霊薬の存在を知られにくくするため。放浪癖がある変人程度の認識であれば、霊薬のありかを尋ねられても誤魔化しやすいから。
 しかし戦乱と貧富の差、傲慢に壊されていく世界を見るばかりなら、もう大切なものから全て壊してしまおうと動き出す。結果、永咲の正体を見抜いていた千理の父と彼の子供、海理を殺害。尚且つ神隠しの世界にて、殺さずに時を止めておいた天理を操っていたとされる。今回の事の発端者。
 隻が神隠しの世界で亡くなった志乃の姉の影響で、心身ともに弱い事を見抜いており、今なお兄を探す千理の枷に適役だと、自ら指導に当たろうとする。隻に上手く取り入って、千理のギリギリで保っている精神を瓦解させようと狙うも、誤算が幾重にも重なり、彼らに討ち取られる。

情け童(なさけわらし)

種族:鬼
属性:なし
主従契約:第15話の個体はなし
契約済:第15話の個体はなし

 別名心鏡(こころかがみ)。特技は神隠し。
 寂しさや孤独を抱えた子供が死んでしまい、その魂が鬼、情け童となる。多くは迷子になったまま見つけられなかった子供の霊が鬼と化してしまっている。情け童の由来は人の心にすがろうとする所から。
 心鏡といわれる由縁は「他人の心を本能的に察知して、淋しさを抱えている人の下に現れやすい」ため。情け童が食べずに共に行動しようとする相手の多くは、幼い頃強い淋しさを抱いた経験がある者が多い。味方になるとその人が幸せになるまでずっと守ろうとする。
 情け童の力の強さは子供を食べた回数で決まるが、子供を食べずに幸せな感情を抱いて餓死すると、座敷童に転生する。座敷童になり損ねた姿が情け童。

・遊園地の情け童(第22話以降の座敷童)


 遊園地にて隻と結李羽を神隠しに遭わせた情け童の少女。その後隻らに感化され、無事に情け童から座敷童へと転生し、東京にて事件解決に努める隻らの前に現れる。
 情け童の時はデニム生地のツナギを着ていたが、座敷童の時は赤い鼻緒の下駄に赤と黄と金を取り入れた着物を着ている。長くふわふわとした茶髪と、焦げ茶色の目がかわいらしい、やや臆病だが素直な座敷童。結李羽により秋穂(あきほ)と命名された。

無月(ナヅキ)

種族:武具(刀)
属性:闇
主従契約:千理(創造主)
契約済:なし

 千理の愛刀で相棒。月の満ち欠けで強さが変わり、新月の時に本領発揮。普段は三日月形の闇色の剣圧(衝撃波)を飛ばしたり、夜、明かりがない暗がりで持ち主の気配を消すといった能力を持っている。
 見た目は黒塗りの刀で、柄飾りの紐にアメジストの玉があしらわれている。戦闘ではスピードを活かした肉弾戦派の千理に合わせているのか、やや小ぶりな刀。
 滅多にその声を聞く事はできないが、意思を持っている。千理に話しかけられ、誰も答える相手がいない場合にのみ、片言かつほぼ一言で返答。千理曰く「見た目も中身もすっごい冷たい奴」だとか。

覇将(はしょう)

種族:幻獣(クラーケン)
属性:水
主従契約:海理(創造主)
契約済:なし

 伝統的だが巨大なタコの姿のクラーケン。海理がたこ焼きを食べたいと考えていたその日に、思い付きで呼び出されたかわいそうな幻獣。海理のその時の空腹も相まってか、かなりの巨体のため海理自身もめったに呼び出さない。
 覇将の口癖は「こいつ食える? 食っていい?」。食欲が満たされるまで、どんな幻生でもとりあえず口の中に放り込む食鬼。頭が異常にゆるい。

雅殺之朱鬼(みやあやめのしゅき)

種族:鬼
属性:火、闇
主従契約:なし
契約済:なし

 万理を誘惑していた鬼。かつて戦乱の世で征夷大将軍、公家らを討ち取ろうとした者達の怨念の末生み出された。特殊な条件化の下で凄まじい戦闘力を発揮し、あまりの力の強さに七日七晩の戦いの末、陰陽師らから封じられていた。
 その封じた家の者達が、祠のある墓場を時代の流れに即して取り壊し、旅館を建てたせいで雅殺之朱鬼が復活。一族を祟られた上に相次ぐ殺人事件により、人が寄り付かなくなった旅館で雅殺之朱鬼を対峙したのが、日本に渡ってきたレーデン家の開祖。不死鳥の清羽(セイハ)と雷駆を同時に駆使し、一度滅すにまで至る。それ故雅殺之朱鬼はレーデン一族を代々怨み祟るようになったという。
 雅殺之朱鬼は本来ならそれほど強くはない。宮を落とす=Aつまり城や本家など、常に要であり守られている場所を攻め落とす際にのみ凄まじい力を発揮し、彼女が「この宮を落としてくれよう」と宣言した暁には、彼女に敵意を向けたものは皆殺されていく。
 宮を落とす際の雅殺之朱鬼が殺すか否かを判断するのは、まずその者が「宮の主」であるか。その主が家にいない場合は力が多少弱まるが、「宮の主」に値するほどの重要な人物がいるならば話は別。またさらに、「宮を落とそうとする雅殺之朱鬼から、宮を守ろうとする」者も対象に入る。だから雅殺之朱鬼に「お前はこの宮を守るのか」と尋ねられたならば、「守る」と答えてはいけない。逃げる者は追わずである雅殺之朱鬼は、宮の守り手を倒す性質があるためだ。
 何故雅殺之朱鬼が逃げる者に対して攻撃を仕掛けないのか。それは野盗とは違うと、女子供相手の殺生を望まなかった武士農民達の当時の想いが、彼女の力に制約をかけているため。
 宮を落とすわけではない場合の雅殺之朱鬼相手であれば、手こずる事は少ない。ただし、宮を落とす以外に彼女が現れる事も、ほとんどないのである。
 相手にするならば少人数で追い詰め、リーダーが誰か悟らせない事。リーダーがいるという時点で、宮ではなくとも多少力が増してしまうのは厄介だ。
 雅殺之朱鬼の特性上、彼女の戦いでは場所も大きな影響を与える。宮に値する、大きくて厳重に守られている家や城などの中であれば、宮を落とす宣言をするだけで多大な力で外敵を払う事ができる。かつての戦国の世でも、彼女の姿が見えたとか見えなかったとか。

和為(やわな)

種族:幻獣
属性:なし
主従契約:千理・N・レーデン
契約済:永咲緋謳(ながえざきひおう/創造主)

 千理の師匠が作り出したオスの巨大山猫。山猫なのに毛は白く、体長は千理ともう二人乗せても悠々と走れるほど。巨体故にライオンのような鳴き声を想像されやすいが、実際は子猫のような、まさしく「猫なで声」である。ただし、怒らせると一気にライオン以上に低くなる。
 肉弾戦に優れ、猫らしい俊敏さを兼ね備えたパワーファイター。勢い任せで肉弾戦を好む千理との相性は(性格以外)抜群。
 しかし相性がよくても、千理はここ数年ほとんど呼び出していない様子。しかし召還される度、和為はご機嫌な様子で千理に甘えているようだ。

雷駆(ライク)

種族:幻獣
属性:雷、闇
主従契約:レーデン家…多生、正造ほか
契約済:レーデン家…千理、万理ほか

 闇だけで作られたような黒馬。額にイッカク鯨のような螺旋状の角を頂き、足元は闇色の雷雲に隠され、空を駆ける事ができる。攻撃の際は突進、蹴り上げ、雷による放電など。日本に渡ってきたレーデンの二代目辺りに創られた幻生で、自身を雷鳴ノ天馬と称している。設定上三千年は生きているとか。
 レーデン家など自身が仕えている家系に関わる者達相手にも臆する事無く諭し、間違いを間違いと認められるよう教育する姿勢も持っている。その反面、余りにも調子に乗っている千理のようなタイプを相手にすると、朗々とした声で辛辣に当たる。千理相手での口癖は「レーデンの名に恥じぬ行いをするなど」うんたらかんたら。
 ただの馬扱いをされると怒るが、馬を馬鹿にされると憤慨する。飛竜と比較されると、召喚主であってもしばらく言う事を聞かなくなるか、かなり腹を立ててしまうので要注意。レーデン家のほとんどの人間と主従を結んでいる。

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