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※どこかの合宿での一コマ (二年生)

「お、なまえ!」
『?純さんどうしたんですか?』
「ヒマか?」
『まあ…』
「よし来い」
『は?』

お風呂に入ってようやくゆっくりできる〜と思っていたら、思いがけず純さんに捕まってしまい、ある部屋に連れてこられた。

「なまえも来たんだ」
「ヒャハ!こっち来いよ!」

そこには小湊先輩始め何人かの三年生と、倉持を始めとする二年生も何人か集まっていた。

『倉持…これ何の集まり?』
「亮さんがホラー見るからって集められた」
『げ…』
「どうしたの、なまえ」
『こ、小湊先輩…あの、わたしちょっ…』
「もちろん見ていくよね?」
『ひゃい…』

有無を言わせない小湊先輩に何も言えず、とりあえず倉持の隣に座った。できるだけテレビから離れたいけど、後ろには小湊先輩がいるからそれもそれで怖そうなのでここにしといた。

せっかくゆっくりできると思ったのになんで苦手なやつを見なきゃいけないんだ…!

『っ…!』

画面にはわたしの苦手なものばかり。部屋の明かりが消されているのも相まってさっきから叫び声を抑えるので必死だ。早く終わらないかな…!

なるべく画面を見ないように倉持がいる方を向いていたら、倉持がそれに気づいたみたいでニヤリと笑っているのが見えた。

「…ん」

ニヤリとしながら倉持が左手を差し出してくれたので、 素直に『…ありがと』と言って右手を重ねた。その瞬間、待ってましたと言わんばかりにぎゅっと握られた。

そのあと、わたしがびくっと反応すると優しく力を入れて握ってくれるので、なんとか最後まで乗り切ることができた。

『倉持ありがと…』
「お前苦手なら見に来るなよ」
『だって純さんに連行されたから…』
「ヒャハッ、運ねぇな」

まあでも、俺は美味しい思いしたけどな。

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