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7月27日。
準々決勝、青道-薬師戦。

今日は昼に試合開始なため、気温もぐんぐん上がってきている。これでは選手だけでなく応援団のこちらも熱中症には気をつけないといけない。

そして先発は降谷くん。
爆発力のある薬師打線を、初回どうおさえるか。しかも打順に変更があり、あの轟くんが一番らしい。

「あっちの監督すごくない?」
『うん…イマイチつかみ所がないよね』

…あれ、そういえば真田くんの名前がない。今日はベンチスタートなんだ。
ふと薬師側のベンチを見れば、真田くんの姿が。

『…っ…』
「ん?なまえどうしたの?」
『あ、幸子…なんでもない』

…一瞬、目があった気もしなくもないけど、気のせい、だよね…。うん、そうだよ見えてるわけないし!

そして試合、先制点をあげたのは、降谷くんの高めの球に狙いをしぼった薬師だった。

みんながマウンドに集まっている。…て、小湊先輩と倉持降谷くんに絡んでる…。あの二遊間はほんとに…。

「スチール!」

キャプテンが相手の動きに反応する。
ワンバンしたボールを、御幸が捕球体勢を変えて二塁、ショートの倉持へ送球。

「アウト!」

「ナイスプレー御幸!!」
「なんつー捕り方してんだぁ!」

スタンドも一気に湧き上がる。…なんてやつ…。
そして御幸もさることながら、それに反応した倉持も、だ。

『…っ、』
「ちょっとやばくない今の!?」
「なまえ?」
『…っあ、ごめん』
「何興奮してんのよ」
『…いやぁ〜…今のはね』
「…御幸と倉持に報告だわ」
『え!?何を!?ちょっと唯!幸子止めて!』
「んー?なにー?」
『ちょっと唯ちゃん!?話を聞いてて!?』

先制はされたものの、一回裏で3点を奪い返した青道。増子さんのあのスイングは圧巻だった。

途中降谷くんから栄純へピッチャー交代、御幸の要求通りの球が来なかったのか、全力で返球したシーンはあったが、3回の表を失点なしで終えた。

そして3回裏の攻撃、純さんとキャプテンが進塁したところで、薬師のピッチャーが交代。

『…あ、真田くん』
「え?なまえあのピッチャーと知り合い?」
『うん。小学校一緒だった』
「話したの?」
『この前会ったから挨拶したよ〜途中御幸が来てまともに話せなかったけど』
「…アンタはまた…」
『え、なに』
「…なんでもない」

幸子がまだ何か言いたそうだったけど、それより応援だ。実質薬師のエースは真田くんらしいから、このチャンスをエースから奪えるか、だ。

「ゲッツー!」

増子さんにデッドボール、続く御幸も積極的にいったものの、思ったよりも鋭く曲がるボールに、反応しきれなかったようだ。

そして追加点もないまま6回表、ついに薬師打線が爆発。一気に2点を返され、栄純からノリへ、ピッチャー交代。

その後も1点を返されたものの、増子さんのファインプレーでゲッツー、攻守交代。6回裏で1点を返す。

そして試合は終盤、8回へ。点差はわずか2点。が、薬師三島のタイムリーで1点を返され再び1点差。2アウトながらもランナー1・3塁になったところで、

「ピッチャー 丹波君」

『た、丹羽さん…!』
「丹波さーん!!」

スタンドもエースの登板に盛り上がりをみせ、そのままエースとして丹羽さんは投げ抜き、8-5で試合終了。

「やったぁぁぁぁー!!!」
『準決!!』
「ベスト4ですよ貴子さん!」
「まだまだこれからよ!」

そう、まだまだこれから。
倒すべき敵は、これからもっと強くなる。

次、勝てば、いよいよ決勝だ。
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