休息の場所は日々減り続ける



『はぁ…』



「また来たんだ」



『仕方ねぇだろ…。ここぐらいしか逃げ場がねぇ…』




盛大な溜め息をつきながら入ってきた△△に、ノックをしなかったことを咎める気も失せる




時間は昼休み
普段なら追いかけっこの真っ最中
だが今日は4限が終わってすぐにここに来たようだ




「いつにも増してパイナップル臭いね」



天敵とも呼べる男の匂いに、つい顔を歪める




『今日は特に不可抗力。朝起きたら隣で寝てた。』



帰ったらファブしねぇと…、と言いながらソファーに突っ伏す△△を、唖然としながら見つめる




「隣で寝てた?どういうこと」



『言葉の通り、としか言いようがねぇ。戸締まりもしっかりして寝たってのに、目が覚めたらニヤニヤしながら隣にいた。
ついでに朝飯まで用意されてた。』




△△の住んでいるマンションは並盛の中でもセキュリティの高い所だったはず
なのにあの男はそれすらも掻い潜ったようだ




随分と人の領地で好き勝手してくれる
風紀の取り締まりを強化しなくては
見回りの配置などを頭に思い浮かべながら、どう咬み殺すかの算段を立てていく




とりあえず、突っ伏している小動物にかける言葉は



「君、いつか喰われるんじゃない?」



『やめろよマジで、洒落になんねぇから。』

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