被害者:△△ 教師
『離せ降ろせくっつくな腰を撫でんな』
眉間にシワを寄せ、誰が見ても不機嫌だと理解できる顔で机を貧乏ゆすりのように指でノックしているのは、朝の追いかけっこの追われる側である○○△△
「おっと手が勝手に…。
ああ、さっきも言いましたが照れなくていいんですからね?存分に寄りかかって甘えてください。」
対照的に柔らかい笑顔を浮かべ、△△を膝に乗せているのは朝の追いかけっこの追う側である六道骸
恋人同士がするような体勢をしているが、この二人は付き合っているわけではない
『照れてねぇし、さっさと自分の席行けよ…。』
「クハッ 相変わらず△△はツンデレですねぇ。」
『ツンデレでもねぇ…。』
ましてや△△が照れてるわけでもツンデレなわけでもなく、骸の頭の中で創られた産物でしかない
「HR始めるぞー」
△△が反論するのにも疲れてきたところで、ガラリと音をたてて教室に入ってきたのは社会科教師の担任
教室を見渡した目が骸と△△を捉えると、今日もか…とげんなりした表情に変わる
「六道ー、自分の席戻れ。」
「嫌です。△△から離れたら灰になってしまう。」
“灰にでもなっちまえよ、俺の苦労が減る”と△△の前の席に座るクラスメイトは聞いた
幸い他には聞こえていなかったようだが
「そんなんで灰にならないから…。な?自分の席着こうぜ?」
「嫌だと言ってるでしょう。いくら担任の貴方でもそれ以上言うなら実力行使にでますよ。」
ギラりと六の字が浮かぶ右目が怪しく輝き、不穏な空気が漂い始めた…
その時
「グハァッ」
骸の頭に何かが飛んできた
カランと音をたて落ちた物を見ると、並盛に住む者なら誰でも青ざめる
「また○○を困らせてるみたいだね、六道骸。」
「何故雲雀恭弥がここに…」
そう、飛んできたのは泣く子も黙る風紀委員長の武器であるトンファー
『俺が呼んだ』
△△の手元をよく見れば携帯が握られていて、いつの間にか連絡を取っていたらしい
「いい加減離しなよ。○○が南国果実臭くなる。」
「僕の匂いが移ったとしても臭くはなりませんよ!全く…邪魔ばかりはいってかないませんね…。」
仕方なしに△△を降ろし
「すぐ戻ってきますね。」
頬に口付け、雲雀と共に教室を去っていった
『戻ってこなくていいっての』
△△がそう言いながら顔をしかめ、頬を赤くなるまで拭うのをクラス中が見ているしかできなかった
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