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「んう、……んッ」
「――ッ」

 平常時でも十分過ぎるほどの体積を誇っていた佐竹のペニスが、雪矢の与える刺激に反応して膨張し、先端の割れ目から塩辛い雄汁を零し始める。
 太い幹に浮き上がる血管を舌先でなぞって、カリ首付近を軽く舐めると、佐竹が耐え切れずに低い獣のうめき声をあげたのが聞こえた。

 絶対に上手くはないはずなのに、経験豊富な野獣が雪矢の拙い技巧に感じて、早くも濃い我慢汁を溢れさせ、逞しい腹筋をピクピクと震わせている様子が少し可愛い。

 いつの間にか夢中になって佐竹のモノをくわえる雪矢の前髪からは雫が滴り落ちて、佐竹の濃い陰毛を濡らしていた。

「ふ、はぁ……んッ」
「おい、初心者がいきなり無理を……するんじゃねえ」

 雪矢の濡れた前髪をかき上げて、無謀な挑戦を窘めるように頭を撫でる佐竹の手は、大きくて優しい。
 ――が、自分で「舐めろ」と言っておきながら初心者を気遣う佐竹の言葉と優しさは、負けず嫌いな雪矢のやる気に火をつけただけだった。

「んん、んっ」
「こら、雪矢……ッ」

 先端の小さな割れ目に舌先を差し入れて溢れ出す蜜を舐め取り、口の中に収まりきらない太い幹の根本を、片手で擦ってやる。

「ふ……うう、んッ」
「はッ、……クソッ、無茶しやがって」

 もはや雪矢の頭に男のモノを舐めることに対する戸惑いや嫌悪感はなく、自分にはこんなことは出来ないだろうと思っていた佐竹をイカせて見返してやりたいという対抗心がむくむくと沸き上がっていた。

 射精させた後で「意外に早いんですね」とでも言ってやれば、さすがの佐竹も絶句するだろう。
 線の細い顔立ちから弱気な性格だと誤解されやすい雪矢だが、実際には転んでもタダで起きたりはしない。
 店を守るために身体を差し出すことには同意しても、それによって心が折れたり弱くなった訳ではないということを佐竹に示さなくては。

 そんな決意を胸に規格外サイズのペニスを口に含み、夢中になって拙い愛撫を続けているうちに、いつの間にか雪矢の身体の奥にもじわじわと熱が生まれ始めていた。

「んん、……ぁ、ん」

 男のモノを舐めながら感じるはずがないのに。
 佐竹が時折こぼす吐息が、壮絶な色気を孕んでいて、雪矢の下半身をくすぐるのだ。

「――雪矢」
「っ!」

 荒くなっていく息遣いに混じって名前を呼ぶかすれたバリトンも、堪らなく甘い。

 ビクビクと震えて引っ切りなしに雄蜜を零し続けるペニスはいつ暴発してもおかしくないほど張り詰めているにも関わらず、佐竹にはまだ余裕があるのか、濡れた髪を撫でる手の動きはゆったりとしたそのペースを変えようとしなかった。

「お前って奴は……本当に、顔に似合わず気が強えんだな」

 呆れたように笑って、佐竹は雪矢の顔を上げさせ、股間に顔を埋めるようにして四つん這いになっていた身体を両腕で抱え上げた。

「まだ、出来ます!」
「俺がもう我慢出来ねえんだよ」



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