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チンコ、としか言いようのないこの感触をどう説明したらいいんだろう。
自分のモノとは長い付き合いだが、他人のモノをこんな風にガッツリ触るのは初めてだ。
イヤ、正確には男子高時代にふざけて皆でちょっとだけ揉み合いをした事はあったけど……。でもまさか、社会人にまでなってこんな事をするハメになるなんて。
「つか、デカっ」
想像していた以上のサイズに、思わず感嘆の声を上げて、もう一度確かめるように自分からソレを握ってしまう。
「おお……」
ムニッと手の平に返ってくる玉と竿のあの独特の感触。
戦闘モードに入っていないにも関わらず、飛島さんのイチモツはスラックスの上からでも分かるほど見事な質量を誇っていた。
「勃ったらもっとすげーんだ!」
「で、でしょうね」
さすがに勃ったところまでは確認したくなくても、凄いんだろうなという大体の想像はつく。
「つーか、そろそろ本気で手ぇ離してもらいたいんですけど」
「自分から握ってきやがったクセにその言い方は何だよ」
「俺がチンコマニアみたいな言い方しないで下さい! 飛島さんが握らせてきたんでしょーが」
自慢のアレの凄さも、そんなに凄いのにインポになってしまったのも分かったから、いい加減この手を離して欲しい。
飛島さんのアレの感触がしばらく手に残ってしまいそうだ。
空気の読めない先輩がそんな俺の気持ちに気付いてくれるはずもなく。スラックスの上から押し付ける程度だった手の動きは、いつの間にか玉まで思いきり握り込まされるような激しいモノへとエスカレートしていった。
「勃ったら……すげーのにっ」
「大丈夫、きっと一時的なものですよ。すぐ復活しますって」
だから早くこの状況を何とかしてくれ!
こんな風に野郎にチンコを触らせて、飛島さんは気持ち悪くないんだろうか。
「新堂〜!」
「先輩、もうチンコはいいっすから」
「こんなインポな俺を見捨てないなんて……お前って優しい奴だな、新堂〜」
「ちょ、そんな擦りつけて……!」
今にも泣き出しそうな酔っ払い男を必死になって宥めつつ、手の平から伝わってくる柔らかい温もりに、むしろ俺の方が泣きたかった。
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