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サボタージュ
(海軍にいる頃の一時:クザンと会話文)

「あらら〜……こんなとこで何やってんの、ナマエ」

「俺は考えを改めました、クザン大将」

「ん?」

「毎日毎日毎日毎日、今日こそ大将赤犬が執務室に怒鳴り込んでくるのではないか、今日こそ大将赤犬に呼び出されて上司共々制裁を受けるんじゃないか、今日こそ大将赤犬に遭遇して上司の不始末を怒られるんじゃないか、今日こそ大将赤犬の憂さ晴らしの拳骨でショック死するんじゃないかと怯えているだけでは、何も事態は好転しないんです」

「……ナマエってほんとサカズキ怖がるよね、そこまでひどい奴じゃないって、多分」

「分かってます、民間人巻き添えオッケー☆な海軍大将が俺の想像力ごときでは補えないことくらい」

「あららら、すごいネガティブ」

「だから俺は考えを改めたんです。サカズキ大将を怒らせないためには、迅速に貴方を連れ戻す必要がある。つまりサボる貴方を追いかけるのではなく……サボる貴方を待ち伏せればいいんですよ!」

「あ〜……それで、こんな人気の無い庭園奥にいるわけか」

「次のクザン大将の昼寝スポットはここだと、統計を取った俺の第六感が!」

「データ取ったんならデータに基づいて行動しなさいや。でもさァ、いいの?」

「へ?」

「ずっとここにいておれを待ち伏せてたんでしょ?」

「はい」

「それってナマエもサボってるってことにならない?」

「………………っ!?」

「…………あー、はいはい、大人しく戻ってあげるから、サカズキにばれる前に撤収しようね」

「は、はいィ……っ!」




(そんなに全力で怯えられると、だんだんサカズキに同情したくなってくるんだけど……ホント)


end

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