いま動く




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日曜日の夕方。
近所のスーパーに行って食材を買い込む。


社会人になって大学の頃みたく頻繁に実家に帰ることもなくなって、会社の付き合いなんかも増えて体型キープの為、少しでも自己投資が出来るようにと自炊を始めた。
もちろん、仕事終わりのアルコールも忘れずに買い込む。



今日は何を食べようか。
あまり凝ったものはやりたくないなと、明日からの1週間を考えると途端に思考が働かない。






「あれ?碧唯?」


『え?・・・蓮?』


「やっぱ碧唯じゃん。久しぶりじゃね?」


『成人式以来とか・・・?』


「え、俺らそんなに会ってなかった?」




偶然、出くわしたのは高校まで一緒だった目黒蓮だった。




「え、碧唯って飯作れんの?」


『軽いものなら・・・?でも人様には出せないくらいのものだよ』


「彼氏に作ったりしないの?」


『相手がいないんだな』


「あ、ごめん」


『蓮は?美味しいご飯作ってくれる彼女いんの?』


「今はいないから俺も自炊」





なんて言ってかごの中を見せてくる。




『餃子作るの?』


「そー。調べたら俺でも出来そうだったし。あ、碧唯、家近いの?」


『まぁ、徒歩圏内かな、10分くらい』


「なんだ、近いんじゃん。・・・食いに来る?」


『・・・え?餃子?』


「っあー、でも明日仕事か」


『・・・昼出勤だけどね』


「お前んとこ緩いかよ」


『緩いというか時差だからその分退勤は遅くなるよ』


「ふーん。で?来る?」


『1回荷物置きに帰っても良いなら』


「それはもちろん。碧唯ん家寄ってから俺んちな」




私と蓮の歯車がいま、動き出す。




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