魔法のことば




「なーに言ってんの?悪い口は塞ぐよ?」



って言って私の頬を両手で挟んでくるのは彼氏の辰哉くん。



遡ること数時間前に私はSNSのストーリーに空の写真と空を飛びたいと書いたものを投稿した。




そこまでよかった。
問題は次。





真っ黒の画面にほぼ見えないように書いた何もかも捨ててどこかに逃げたいと書いた投稿。
これを親しい友人で上げたはずだった。



なのに、それのスクショが辰哉くんから送られてきた。
親しい友人に入ってるのは3人の幼馴染だけ。







「ねえ、これ何?どうしたの?俺からも逃げたいの?」


って3件連続でLINE辰哉くんからくる。





『え、』




慌てて投稿を確認すると全体公開になっている投稿。


うん。私の失態だ。


既読を付けたのに返信が無いからと電話がくる。









「もしもし?」





『もしもし、』








「ねえ、あの投稿本音?」







『いや、えっと』







「.......おれ怒ってないよ?」






『え、怒ってるんじゃ』







「違うよ、とりあえず今碧唯家に居るよね?」






『うん』







「あと5分くらいで着くよ」







『え、あ、わかった。』







「一旦切るね、へーき?」







『うん』






「じゃあいい子で待っててね」






と言って切れた電話。

そしたら幼馴染のグループLINEにも連絡が来てて全体なってるから消せ!とかやばいよ?碧唯の彼氏見ちゃってるよとか。幼馴染達の心配する声。

とりあえず彼氏にバレたから彼氏がうち来る。とだけ返信する。

いつも通り過ごしているはずなのに体感1分。
合鍵で入ってきたのは辰哉くん。







「ねえ、俺じゃ頼りないのかな」






『んーん、』






「ああいう投稿いつもしてるの?」







『.......』




「親しい友達にしてるときってそれなの??」






『………』






図星すぎて答えられない、、








「んー、誰か頼れてる?碧唯が逃げ出したいって思った時」




優しい声で聞いてくれる辰哉くんに少し安心した。








『.......幼馴染、頼ってる』







「そっか、碧唯が1人で抱えないだけまだいいよ」






『.......ごめんなさい』






「ん?何が?」







『だってこんな面倒な彼女嫌でしょ?メンヘラみたいだし、こんな、、こんなやつ』







「ねえ、碧唯?」






といって私の頬を両手で挟んできた。






「面倒じゃないよ?メンヘラなの知ってるし」


「まあ、俺はメンヘラだとは思ってないけど」








『どっちだよ.......』








「碧唯は頑張り屋さんだから心の余裕が無くなっちゃうだけ。それがばーって広がっちゃうだけ。だから心配なの。俺の事も頼って?」








『.......でも』







「でもじゃないの。それに今、ひとつだけ怒ってるのはね、自分のことこんなやつって言ったこと。こんなやつだなんて言わないで?もっと自信もっていいんだよ。俺のお姫様なんだから」









これからは幼馴染頼る前に頼って欲しいな、

と言ってくれた辰哉くん。





それ以来、親しい友人に投稿するのは辰哉くんとのツーショットだらけ。





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