019 許されない罪に染まった自分を、思い知らされていく。
逃げ惑う人々が、叫び、助けを乞い、ぼくを怯えた目で見つめる。
違う。違う。
ぼくじゃないんだ。
ぼくじゃない……ぼくは、こんなこと、したくなんかないんだ……。
そんな言い訳をして、ぼくは、何を守ろうとしているのだろう。
ぼくは、ぼくは、
しょせん、かっこいいヒーローなんかには、なれないんだ。
――ぼくが、目覚めたのは、それから、ほんの数分後のことだった。
見慣れた真っ赤な海が、ぼくの目の前に広がる。
ほら、もう見慣れたろう? 倒れている。人が、大勢、その中で。
右手が、使い慣れた氷塊の先を尖らせて、太く、大きな剣を作っていた。
ぼやけた視界の中で、怯えるあの少年の顔が、見える。
ぼくは、少年の頭を掴んで、見下ろしている。
ぼく、今、どんな顔してるんだろう。
ぼくは……
『ピー……』
ドッ......
ぼくは、ロボットです。
next|
prev