[]


「あちー」
「祭だけあって人多いな」
「だな、つかアイツまだ?」


待ち合わせの公園の入口
に着くとすでに水谷と花井
と阿部がいた。もちろん、
さっきの会話も聞こえてい
た。浴衣で来たからどうし
ても歩くのに時間がかかっ
てしまうから申し訳ない。


「遅れてごめんね」
「やべーかわいっ」
「水谷、心の声漏れてっぞ」
「ふーん、馬子にも衣装ってとこか」
「阿部は心にもないこと言うなよ!」
「阿部がムカつくー!」
「ほらコイツむくれてる」


水谷は頬を赤くしながら
私の隣を歩く。阿部は花井
に怒られながら、私の一歩
前を歩いていく。


「なあ、阿部が言ったこと気にすんなよ」
「別に気にしてないよ」
「思いっきり気にしてるじゃん」


水谷が私の膨れてる頬を
突いてほら気にしてると
笑った。水谷に触れられた
頬が少し熱を保つ


「突かないでよっ」
「いいじゃん。折角、今日のお前凄くかわい・・・んだからさ」
「あ、ありがと。てか言いながら照れないでよ!こっちが照れるってば」
「あ、ははー」


お互いに何だか恥ずかしく
なってしまって少し距離を
取って歩いていると、水谷
がチョコバナナを買うから
待っててと行ってしまった

そういえば、花井と阿部と
はぐれてしまっていたこと
に今気づいた。周りを見渡
してもいない。この人の多
さじゃ見つけられるわけな
いか、しょうがないよね。


「はい、お前も食べよ!」
「え、買ってくれたの?」
「うん、だからハイ」
「ありがとう」


受け取るとチョコバナナ
のいい香りがする。一口
食べるとチョコの甘さと
バナナの甘さが合ってい
て自然と顔が緩む。チョ
コバナナ美味しい、幸せ


「そんなにうまかった?」
「うん」
「すげー幸せそうな顔してるから」
「やだなもう顔にでるとかハズカシイ」


あまりの恥ずかしさに
チョコバナナにかぶり
ついた。水谷の視線を
感じて見上げるとニコ
ニコしながら私を見て
いたからどきっとした



「な、に?」
「お前が幸せそうに食べるから見てる俺も幸せだなーって思って」
「どういう意味?」
「・・・ご想像にお任せします」


そう言った水谷は顔を
真っ赤にして俯いた。



幸せな一時


(あいつらいないと思ったら)
(ここでイチャついてるよ)

20110723.

瞳さまへ!相互ゆめ
大変遅くなりました
すいませんっ

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