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昨日の夜珍しく机に
向かって片想いの相手
に綴ったラブレター

大好きで大切な気持ちを
書いた便箋を封筒に入れ
カバンにそっと忍ばせた


「はあ」


大きなため息が出た
渡すつもりなんてな
かったのに勢いで持
って来てしまった
渡してしまったら泉は
どんな顔をするだろう。
そして今ままでの関係
も簡単に壊れてしまう
のだろうか
そんなことを考えると
手紙を持つ手が震えた


昼休み屋上に来た
私の想いを綴った
ラブレターと一緒に
震える手で封筒を開け
便箋を開き読み返して
見るとびっくりするく
らい恥ずかしくなって
勢いよくそれをくしゃ
くしゃにした
熱を持った頬には、
冷たい風がちょうどいい


「・・・いいんだこれで、」


もう少しだけ、私の想
いをこのくしゃくしゃ
にしたラブレターみた
いに心の奥にしまって
置こう
少し涙がこぼれた


「何がいーんだよ?」
「いず、み」
「その涙はコレが原因?」


泉が現れたことに驚い
たけれど手に持ってい
る物に慌てたそれはさ
っきくしゃくしゃにし
たラブレター無意識に
放ってしまったらしい


「あ、見ないで!」


嫌だ嫌だ、泉に見られ
たら今の関係壊れてし
まうそしたら戻れなく
なってしまう私が勝手
に書いたのだけど、
そんなの嫌だ


「わり、もう見ちまった」
「え・・・」


眉を垂らして謝る泉に
私は頭が真っ白になった
想いが伝わってしまった
嬉しさと緊張と壊れる何か


「あの、さ」
「ごめんね、忘れて」


泉の顔がぼやけていく
溢れ出す涙を見られな
いように俯いた


「忘れられるわけ
ねーだろ、バカ」


温もりを感じた
すぐに泉に抱きしめ
られていることが分
かった泉の早い心音
が聞こえる


「好きだ。」


耳元から確かに
聞こえた、好きだと
同時に腕に力が込め
られ体温があがるの
と心音が早くなって
いくのが分かる
絶対壊れたかと思っ
たのに想いが伝わる
なんて幸せなんだと
涙で少し濡れた泉の
シャツをぎゅっと掴んだ



Love Letter


(大切な泉へ、)
(大好きです。)

20110325.

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