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昼休み、図書室、一番奥の窓側の席
そこでいつも本を読んでる君




「……今日もカッコイイ」





図書委員の私は
いつもこのカウンターの席から
彼の姿を見ている






私はずっと君を見ている
君は私を一度も見ないけれど





名前をよんで


「…ま〜た、ちうは!!!
見てニヤニヤしてるくらいなら話しかけてきなさいよ」


「先輩ぃ…無茶言わないでくださいよぉ。そんな勇気あったら、とっくにかけてますぅ」




私は図書委員
お昼休みの担任なのだ
毎日このカウンター席に座って
君を見つめている





これだけで幸せなのだから
これでいいんだ




わたしが知ってるのは"栄口勇人"って名前だけ



以前、本を借りに来た時に
貸出しカードに名前を
書いてもらった時に
初めてしったのだ





「声、聞きたいなぁ…」





それがわたしのひそかな願い
あの優しく笑う君は
どんな声なのだろうか



不思議なことにまだ私は
一度も君の声を聞いたことがない



クラスも別……と、いうか君がどのクラスだか分からないし、部活も委員会も家も…





私は君のことなんにも知らない








「いつか…、仲良くなれるといいなぁ」




 

そんな叶いそうもない願いを、この25分間、いつも無限ループのように考える



ただ今はこれだけで幸せ
そう思っていた

放課後には図書室の掃除をする
彼は部活だろうか?
なんの部活かは知らないけど
放課後はも顔を出さないから
多分、部活には入っているのだろう




「……あれ、あの席って」




いつも彼が座っている席に、ハードカバーの本が置いてあった




「ま、まさか…栄口くんの///」




そっと中の貸出しカードをチェックする
そこには、栄口勇人 と書いてあった




「……どうしよぉ」




いつもならば忘れていった本は
自然に返却となるのだが
私はこの本を本棚に戻すことが
出来なかった

翌日―……
図書委員の私は、いち早く図書室へ向かう
昨日、栄口くんが忘れていった本を持って




いつもは一番のりなのだが
今日は先客がいた



「……あれ、誰だろ……ッ///」



そこにはいつもの席の周りで
何かを探している栄口くんの姿があった




……ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ
鼓動が早くなり、顔が火照るのが自分でも分かった



絶対、栄口くんは昨日の本を探しているはずだ
そしてその本は今、私の手の中



(ゎ、渡すしか…ない!!!)




そう思い、えいっと声をかけた




「あ、あの!!! こ、これ、昨日……」
「あっ!! あった。 ごめんね、預かってもらっちゃって」



うわわわわわ///
声、キレイ……そしてなんか、ちょこっと可愛い



「…あれ、もしかしていつもカウンターに座ってる……図書委員さん??」
「………はい、そうです」


ま、まさかいつも私が見てるの気付いてたのかな!?
ゎゎゎ…恥ずかしい///


「俺、いつも昼、ここ来るじゃん?? その時、いっつも君が貸出しカウンターにいるから……日に日に気になっちゃって///」



「…………えっ?」



「…あ、いや。特に意味は…ないんだけどさ、いつも見るから名前…聞いてもいいかな?」



ほんのり栄口くんの頬が赤く染まる…
それを見て、私も更に顔が火照るのが分かった



「…あっ、えっと。ちうです。」


「……ちう…さん、ね。
ありがとう。また…来るね///」



そう言って優しく栄口くんが笑った



「は、はい。また明日」







私の小さな願いが…叶った
なにかが変わったわけじゃないけど
なんだから明日からは、違う気持ちが生まれる気がした


今日は雨が降った
雨の日は部活はおやすみらしく
放課後も栄口くんが来る



上機嫌で本棚を整理していると
ガラッとドアが開いた



「あっ!! …こんにちわ///」
「…あっ、こんにちわ!!!」



そうだ、今日こそは…今日こそは誘うんだ
…今日は雨だから、一緒に…一緒に、帰ろうって





そう思っていたら栄口くんが小さな声でこう言った




「……今日、一緒に帰りませんか///」







…また、一つ願いが叶った






 












★☆あとがき☆★


ちう様へ、栄口くんリク
大変長らくお待たせしました!!


学校の方が忙しく
サイトの運営まで手が回らなく
こんなに遅い更新になってしまったこと
この場でお知らせします



ちう様!!
復帰一作目ということで
あまり上手には書けなかったです…(泣)
こんなものでよければもらっちゃってください

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