「タカタカっ!早くっ」
教室から(いつも通り)だるそうに出てきた隆也の手を引いて廊下を走る。
「は、ちょ、なんだよ」
隆也はでかかっていたあくびを飲み込んで、あたしに引かれるまま走る。今日は快晴。野球部の隆也からすればこんな野球日和はない、って感じの天気だけどあいにく今日は週一のミーティングの日らしい。まぁ、あたしからすれば週一の楽しみな日なわけで。今日は行きたいとこがあった。
「はい、しゅっぱーつ!」
「……おまえ、ここまで引っぱっといてここからは俺か」
「早く!おわっちゃう!」
「てめぇ…」
隆也のチャリの荷台に乗ってぶつくさ文句を言う隆也の肩をばしばし叩いて早く、と訴えるとしぶしぶ漕ぎだした。隆也がぐんぐん自転車を漕ぐから気持ちいいくらいに強く風を切る。
「どこ行くんだよ」
「丘!」
「………は?」
理解不能、といった表情で隆也はわたしを振り返った。転んじゃうぞ。わたしは誤魔化すようににんまり笑う。あ、目そらされた。
「まぁまぁ、いいから!」
「はぁー…?」
「んふ」
「きもい」
時刻は5時13分。うん、いい感じかな。
「隆也はやくおいでっ」
丘の下に自転車を止めている隆也を丘の上から呼ぶ。(あたしは自転車が止まった瞬間飛び降りて丘を駆け上がった)
「なんなんだよ」
眉間に皺を寄せながら気怠そうに上ってきた隆也の手をぐんっ、と引いた。
「ほらほらっ!みて!」
「あー?……あ、」
「すごいでしょっ!」
怠そうだった隆也の顔が一変したのが嬉しい。大成功、かな。二人の視線の先は大きい、真っ赤な夕日。
「……すげ」
「隆也とね、みたかったんだ」
夕日に見入ってる横顔にそう言ってあたしも夕日に視線を戻した。
SUNSET-KI・RE・I
君と見るから特別に。
 ̄
ちぅさんと相互記念でっす!
阿部くん阿部くん。なんかなんにも甘くない…そしてっ!たぶんちぅさんしかわからないかもしれませんがっ!タイトルの『SUNSET-KI・RE・I』はあたしとちぅさんが大ファンという共通点を持つ、BaseBallBearの曲です!ベボベの曲名は難しいので簡単なものにさせてもらいました(」'ω`)」『メタモルフォーゼ真っ最中』とかおもしろいのにしようとしたらメタモルフォーゼは生物学で『変態』の意味ということが判明…笑
ながくなりましたっ!ちぅさんこれからもお願いしますねっ!ちぅさんのみお持ち帰りおっけぃでっす!
2010.8.15
2011.2.5 修正