カリカリカリカリ
「………」
カリカリカリカリ
「……………」
カリカリカリカリ
ピタ、
「お」
「……田島」
「やっと気づいたかーっ!」
お前見ても全然気づかねーんだもん!と膨れる田島にわざとだよ、なんて言えずに何か様?とだけそっけなく答えるあたし。
「いや何してんのかと思っただけ」
「は?アンタ馬鹿ですか」
「ああ、バカだよ」
ケロッとした顔できっぱりと言い放った彼はいっそ清々しいな。
頭の隅でそんな事を思いつつあたしは今まで解いていた問題集をどんっと田島の目の前に出した。
「うおっ!何コレ意味分かんねー!」
「だろうねまだ解いてないし…ってえ!?分からないの?!これが!?」
「おう」
ゲンミツにサッパリだ!と笑う田島にこれ先々週習ったばっかの問題だよ!?と言ってみても寝てた!と返される。
…ありえない。
「田島ってさ、追い込むタイプだったけ?」
「は?何の事?」
「まずそこか」
「なー何々ー!」
「いや、良い、忘れて、それより田島今週テスト週間だよね」
「あー…テストな」
テストとゆう単語を出した途端に顔色がどんよりと曇る田島に今までの彼の成績が頭に浮かぶ。
「でもまー俺もう諦めてるし!」
「確か野球部って赤点だと試合出させてもらえないんじゃなかったっけ」
ピク!
あたしの言った言葉に肩がびくんと揺れたのを見逃さなかった。(噂は本当だったのね)
そして次の瞬間田島の顔は目の前に。
「ってえうわぁっ!?」
思わずのけ反るあたしに更に迫ってくる田島、なに、何々なんなの!
「お前、頭いーよな」
「は?」
「答え教えてくれ!」
「はあ!?諦めたってさっき…」
「無理!やっぱ諦めんのやめた!試合かかってんもん」
さっきの諦めの良さはどこ行った!!
ぐいぐい迫ってくる田島にギブアップ寸前のあたし。(もう駄目…!)
「分かった!分かったから!」
「マジ!?」
「まじまじ、だからどいて?」
キラキラと輝く笑顔にね?と首を傾げる。
「教えてくれんのは嬉しーけどどくの無理!」
「なんで!」
「だっておいしいじゃんか」
急に真顔になる田島にドキっとする。え?何おいしいって。
固まるあたしに更に追い打ちをかける様に次の瞬間ちゅ、と唇から小気味良い音がした。
「た、じま?」
「先にお礼、しとくな!」
にん!と笑った彼にあたしの顔が耳まで赤くなったのは言うまでもない。
秘密なんてダメだよ
(あ!間違えとか教えんなよ!)
(お、教えないよ!)
⌒⌒⌒
090705
試験週間中ちーちゃんへ送る!
この後またお礼だのと託けてヒロインちゃんにちゅうをする田島(^p^)