なんて幸せ者なんだろう


裁縫が得意な良郎に掃除用
の雑巾を縫ってもらい、そ
れで新居を掃除し始める。
荷物を広げながら良郎に私
はもうお昼ご飯の話しをし
ていて、良郎が作ってくれ
ることに。そう、私の旦那
は料理も上手いときた。将
来はとっても良い主夫にな
るねなんて自分で言って何
もできない私は悲しくなる。


「今、いらんこと考えてるだろー?」
「どして?」
「ほれ、」


そう言って私に近づくと良
郎は人差し指で私の眉間に
つんと当てた。


「眉間にシワが寄ると」
「良く見てるね。」
「どれだけ一緒にいると思ってんだよ。」
「年の数だけ」


良く出来ました。と私の頭
を撫でるその手が優しくて
大きくて落ち着く。


「おっまえ・・・」
「なあにー?」
「急に目閉じるなよなー」


なんでと問うと真っ赤にな
る良郎に私はまだ慣れない
のかと笑った。
照れないでキスしちゃえば
いいのにね。なんて。


「と、とりあえず主婦業は俺がやるから」
「お前は安心して好きな仕事しろ」
「・・・」
「ばか、泣くなよ!」


慌てた良郎は私を抱き寄せ
服の袖で私の溢れ出た涙を
拭ってくれた。



なんて幸せ者なんだろう


(主婦業が好きな旦那)
(仕事が好きなわたし)

20120418.











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