恋の訪れ


野球部に応援団があること
を知って、その団長さんが
9組にいることを教えてく
れたのは、同じクラスの花
井くんだった。


「あの、浜田くんて人いますかー?」


それで今、団長さんに話し
があって思いきって9組に
乗り込んでみたのです。
もちろん注目の的なわけで


「俺が浜田だけど・・・?」


近づいてきたのは背が高く
て、金髪の人でちょっとび
っくりしてしまった。


「いきなりすみません」
「いや、で何の用かなー?」
「あの、団長さんなんですよね?」
「あ、うんー」
「私、友達と一緒にチアをやろうと思ってるんですけど」


浜田くんの反応をドキ
ドキしながら待ってい
ると、表情が柔らかく
なってにこっと嬉しそ
うに笑った。


「え!一緒に応援してくれるの?」
「はいっ!」
「嬉しいなー、じゃあ早速だけどこのあとグラウンド来てよ」
「今からですか?」
「うん、もしかしてホームルームまだ?」


私が首を横に振るとじゃあ
行こうか!と私の手を引っ
張ってグラウンドに連れて
来られた。一体なにをする
んだろうとポカンとしてい
ると、浜田くんは手にして
いた学ランを羽織ると私を
見る。


「これから、応援するから見てて」
「はいっ」


声を張る浜田くん
学ランも似合ってるな
と浜田くんの姿に見惚れた



「まあ、いつもこんな感じで練習してるんだ」
「はい!声が出てて素敵でした」
「はははっ。なんか照れるな」

顔をほんのり赤く染める
浜田くんに私の心臓はう
るさくなった。


「あの、これからよろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくっ。そういえば、敬語じゃなくていいから」
「あ、ハイ。あ・・・」
「ははは」


笑う浜田くんの顔が
いつまで経っても私
の中から消えなかった。



恋の訪れ


(私の中で何かが)
(弾けるような感じがした)

20110729.
アガパンサス
花言葉:恋の訪れ











「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -