夕月夜

図書委員の仕事が終わって
荷物をまとめて図書室を後にした

駐輪場に行くまでに
野球部のグラウンドを通る

今日はもう終わったらしく
部室から野球部がぞろぞろ
出てきた


「あ!図書委員だったのか今日?」


と大声で同じクラスの田島が
にっこりと笑って話かけてきた


「うん、少し長引いちゃったけどね」
「そっか!お疲れ」
「田島もお疲れー」


じゃあねと田島に手を振って
駐輪場に行ってカギを外して
門の前に来ると泉が突っ立っていた


「乗せてけ」
「え、やだ」


即答すると泉はニヤリと笑った


「やだと言われても乗るけど!」


いいよなんて返事もしてないのに
泉は勝手に私の後ろに乗った
普通逆だよねなんて思いながらも
仕方なく自転車を漕ぎはじめる


「お客様どちらまーでーでーすーかー?」


やる気なく言う私に
泉はぷっと笑って公園までと言った


「かしこまりー」


少し速度をあげると
泉は私の腰に手を回してきた
同時に変な声が出た


「うひゃあ!」
「んだよ!?」


ブレーキをかけて泉がいる
後ろを振りかえるとびっくり
した顔が目に入った


「急に捕まったらびっくりする」
「あ、わりぃ」


夕日のせいか顔が少し赤く
なってる泉


前を向いてふうと息を吐いて
空を見たら月がでていた



夕月夜


(ねえ、見て月だよ)
(ほんとだ)

20100914.











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