夏の夜


梅雨が明けてから
ここのところ熱帯夜が続いてる
暑くて眠れない日が多くなってきた
そんな時のためにCDでも借りに
行こうと割と涼しい夜にした

近くのレンタル屋に入ってみると
みんな同じことを考えるのか
夜にしては人が多かった

さっそくCDコーナーに向かうと
見覚えのある後ろ姿が試聴してる

いつ気づくかなと隣に立ってみたり、
わざと彼の目の前のCDを手に取ったり
したけど、中々気づいてくれなくて

再び目の前のCDを取ろうとしたら
試聴が終わったらしい水谷と
同じCDに手を伸ばしていた


「あ」
「あ、れ?」
「水谷やっと気づいたー」


触れた手をすぐに引っ込めて
水谷を見るとヘッドホンを片手に
ごめん聴き入ってたーとへにゃりと笑った


「なに、お前も何か借りに来たの?」
「うん、いいのないかなって」
「じゃあ、今俺が聴いてたのがオススメだよ」


俺このグループ好きなんだと
持っていたCDを渡される


「ありがと、借りてみるよ!」


水谷の好きな音楽を私も
聴くことが嬉しかった


「んー、お前のオススメとかある?」
「そうだなあ。あ、これいいよ」
「じゃあ、これ借りよ」


お互いにオススメしあったのを
借りて満足して、店の外に出た


「水谷、ありがとね」
「俺の方こそ」


ありがとなとにっこり笑う
水谷を見て顔が熱を持った

きっと外が暑いからだ
なんて言い聞かせる


「じゃあまた明日ね」
「待って、送ってく!」


悪いよと断ろうとしたら
女の子一人で夜道危ないだろ
とさっきの笑顔で言われた

顔がまた熱を持った
これは暑いせいなんかじゃないよね

今が夜で良かったと夜に感謝した



夏の夜


(君のオススメは)
(可愛らしい)
(ラブソング)

20100724.











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