想いの詰まったチョコレート




今日はバレンタインデー
学校に着くといつもは遅く
来る女子がすでにいた
その中にはもちろんアイツも


「はよ!」
「田島おはよ」


いつもならすぐさまチョコくれとアイツに
言うけど、今回は少し我慢してみる

何となくだけど、いいこと
ありそーな気がする!
ま、俺のカンだけどっ


「さっき、チョコ貰ってたね」
「んー?ああ、なに?気になるのか」
「べっつにー!」


確かに来る途中で何個か
チョコを貰った
良く見てンなコイツ
じゃなくて、相変わらず素直じゃねーな


「そういうお前こそ、さっき
泉にあげてたじゃん!」
「友チョコだもん!」
「じゃあ俺にはチョコねえの?」
「え、あ・・・」


そう聞いた途端真っ赤になるコイツの顔
紙袋の中から小さな包みを出して俺に差し出す


「いつになったら気づくの野球バカ」
「とっくに気づいてるっつーの!」


チョコさんきゅとコイツの
頭を撫でると更に真っ赤に
なる顔を見て笑った



想いの詰まったチョコレート


(それはそれは)
(甘くとろけるよう)

20110213.




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