義理だけど本命




バレンタインデー当日
男は前日からそわそわする
チョコもらえるのか
もらえないのか

女子から見たら変に思われるかも
しれないど、やっぱり重要なんだ
バレンタインチョコは

今年は阿部と花井で誰が
チョコもらえるのかとか
話して俺はもらえないとか
言われっぱなしだったから
何としてももらいたい

何だかんだ一日はあっと
いう間に過ぎて部活の時間

マネジ二人もいるからきっと
どちらかがくれると信じて
グラウンドに向かうと
すでにみんなが集まっていて
しのーかとアイツがみんなに
チョコを配っていた


「水谷おせーぞ」
「わりぃー」


泉にチョコなくなんぞ
と言われ急いで着替えてくる
ともうチョコがなくなっていた
田島がほとんど食べてたとか

しのーかとアイツからのチョコは市販の
得用を買って来てたみたいだったけど、
やっぱりそれでも食いたかったと思う


「くそー」
「おせーからだよ」
「少しは残しておくだろー」
「それは田島に言え」


田島めと食べ物の恨みは怖えんだぞと思い
空っぽになった得用チョコの袋を見つめる


「あのさ、チョコ余ってるんだけど」
「へ?いいの!?」


そう言うとアイツが俺に
チョコを押し付けてきた


「食べてよ、余りものだし!じゃあね!」
「あ、ちょっと」


お礼言いたかったけど渡すだけ渡して
走って行っちゃうんだもんなあー


「でも、やった!」


アイツからバレンタインとか
嬉しくてにやける

そんなことを思いながら
義理チョコの包みを開けると
中には小さな紙と手作りのチョコ

小さな紙を見るとそこには小さく
好きだよと書かれていた


「なんだ本命チョコか・・・って、え!!」


うわあ、嬉しすぎてやばい
でもまず手作りに感激だ
うわわ、食うの勿体ねー



義理だけど本命


(両想いだったのか)
(あ、阿部と花井に自慢しないとな)

20110211.




- 49 -

 

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


もどる