抱きしめていい?ってかそうさせて
お互いに気持ちを確かめ 合った私たち。昨日は 幸せすぎて眠れなかった なので今日も寝不足なのだ
「よお、今日ははえーんだな」 「うん!」 「なんかイイコトあった?」
幸せ気分で登校した私に 泉が気づいてニンマリと する。本当、泉は勘が鋭 いよと思ったけれど、私 が顔に出過ぎていたのか もしれないとはっとした
「べーつーにー!」 「みず、」 「!」
みずしか言ってないのに 反応してしまって教室を 見渡してしまう。意識し すぎだ私!水谷はいなくて 私の反応を見ていた泉が ゲラゲラと笑う遠くで田島 と浜田も聞いてたのかこっ ちを見て笑っていた 騙された!!!
「飲みてーな。なんってな」 「いーずーみー!!!」 「はは、泉怒られてやんの!」 「たーじーまー!」
ぎゃーぎゃー騒いだ後 水谷とのことをみんなに 根掘り葉掘り聞かれ気づ いたら私の周りには野球 部に囲まれていた。今日は 私の寝る時間ないみたいだ
「つ、疲れた・・・」
本当、容赦ない泉と 田島に質問攻めをされた 結局放課後まで聞かれて いた私。今は机に突っ伏 して水谷を待っている
野球している姿が気にな って顔を上げ席を立つ グラウンドを見ると、 ちょうど野球部が終わ ってしまったようだった 9組に迎えに来た水谷と 目が合うとへにゃりと 笑ってこちらに来た
「待っててくれたんだ」 「うん、一緒に星も 見たかったから」 「そっかあ、ありがとー」
ふへへと嬉しそうに笑う 水谷を見ていると今度は 照れているのかむすっと する。
「あー!もうガマンできない」 「え、え?!」 「抱きしめていい? ってかそうさせて」 「!」
私の返事も聞かず そして心の準備もなしに 水谷に抱きしめられていた 教室に私の心音と水谷の 心音が聞こえそうなくらい 静かだった
「ばか、急すぎる 抱きしめるなんて」 「んはは、ごめん」 「いーよ」
水谷のシャツに顔を 埋め背中に手を回す と抱きしめられてい る腕の力が増した
夢じゃないんだなあ、 と自分の頬をつねった
狭い視界から空を見ると、 もう一番星が私たちを見て いた
抱きしめていい?ってかそうさせて
110328.
title:確かに恋だった
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