なあ、もう一回好きって言って




気がついたら辺りは、
もうすっかり真っ暗だった
今日も星が綺麗な夜だ

見つめ合ったままずっと
沈黙が続いている
それはどちらかが話すこと
もなく、でも居心地は悪く
なかった。むしろ逆で、
温かいを越えて熱っぽい
あの言葉を言われてから


『頭ん中、お前ばっかなんだけど』


水谷に言われた言葉が
私の頭でずっとループする
つまり、それはどういうこと
なのかと。自分の頭で整理
すると行き着くのは水谷が
私のことが好きということ
でも水谷には好きな人が
いると言っていた。まさか
好きな人に恋煩いなんて
言うわけないよねえ?


「あのさ、」
「あ、うん」
「お前はどーなの?」


控えめに聞いてきた水谷
さっきの言葉は・・・
水谷は私のことでいっぱい
ってことなんだよね
それはそれで想像すると
何だか恥ずかしい
でもきっと私と水谷は同じ
気持ちだと思うんだ
だって、私も頭の中水谷で
いっぱいなんだよ、いっぱい
すぎて分からないくらい


「好き」


ポカンとする水谷
両手を握りしめ恥ずか
しいさに堪える私
ついに言ってしまった
たった一言だけなのに
水谷の顔が見れない
きっと今の私の顔は
真っ赤なりんご


「うっわー!!」
「えっ?!」


反応が遅すぎる
水谷は頬を両手で押
さえ照れ始めた
へにゃりと緩い顔を
していたと思ったら
目が合うと引き締まる


「なあ、もう一回好きって言って」


なにそれ、私
今にも恥ずかしくて
死にそうなのにもう
一回言えと。あああ
私、倒れそう


「水谷が好き」
「ふは、」
「もう言わないからね!」


もう一回だけと言う
水谷をスルーして、
恥ずかしくて熱を持った
顔を手団扇でぱたぱたする


「俺も、好きだよ」


ふわりと柔らかく
笑って私に一歩近づく
今まで気づかなかった
水谷と結構身長差が
あったなんて

見上げると水谷と星空
があった

夜風が妙に気持ち良かった



なあ、もう一回好きって言って

20110328.

title:確かに恋だった




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