好きすぎて俺、バカみたいだ





どれくらい抱きあって
いたのだろう。眠って
しまいそうなくらい水
谷の腕の中は温かくて
そして安心する


「・・・水谷だ」
「うん?水谷だよ」
「うん、知ってるよ」
「うん、ん?」
「ナンデモナイ・・・」


今、とてつもなく恥ずか
しいことを口にするとこ
ろだったと再び水谷のシ
ャツに顔を埋めた


「気になるんだけど・・・」
「教えない」


水谷の匂いだなんて
口が裂けても言わない
それで安心したことも
言わない


「なあ、こっち見て」
「な、に」
「なんでもなーい」


顔を上げると水谷と
目が合って、やっと
俺のこと見てくれた
と微笑んだ


「もしかして照れてる?」
「照れてないもん」
「ふはは、照れてるー」


かわいーと私の頭を
ぽんぽん撫でてホント
と言いかけて水谷が
口元を手で覆った


「好きすぎて俺、バカみたいだ」


今までにないくらい
顔が赤く染まっていて
私までつられてしまった


「ホント、ばか」


私は左手で水谷の鼻を
つまむと、へにゃりと
笑うものだから私も笑う


空を見上げると星たち
がきらきらと輝いていた



好きすぎて俺、バカみたいだ


110328.

title:確かに恋だった





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