頭ん中、お前ばっかなんだけど




昨日は帰ってから
寝れなかったから
今日の授業、夢の
中でしたなんて口
が裂けても田島た
ちには言えない。
きっとゲラゲラ笑
うに違いない。一
番後ろで良かった
と息をついた


「おっまえ、寝てただろー」
「寝てないもん!」


私の顔を見るなり
泉は笑いをこらえて
頬がぷくっとふくれる
涙目になりながら、顔
に教科書の跡がついてる
と思った通りゲラゲラと
笑われた。かあっと体温
があがるのがわかった



放課後になると
部活のない水谷が9組
に来るなり私の腕を掴んだ


「え、みずたに?!」
「コイツ借りんね、
というか貰うね」


ポカンとしてる泉
たちにそう告げて
教室をあとにした



「ごめん、引っ張っ
て来ちゃって」
「ううん」


水谷に連れて来られた
のはいつもの土手だった
掴まれていた手が離れる
まだ水谷の温もりがあった

私はうまく笑えて
るのだろうか


「あのさ、昨日のこと」
「・・・うん」
「おまえだから」


昨日とは違ってそわそわ
していて落ち着かない水
谷の話しが理解出来なく
なってきて頭を傾げると
だから!と水谷が声を張った


「頭ん中、お前ばっかなんだけど」
「・・・!」


今までそんなこと言われた
ことのない私はどうしたら
いいか分からず俯いた
多分、水谷も一緒

どんな反応すればいいのっ

夕日に照らされた二人の
顔はきっと真っ赤
夕日のせいじゃなくても
真っ赤だと思う

ちらと水谷を盗み見ると
目が合っていつものよう
にへにゃりと照れ笑う
私もつられて笑った

空にはたくさんの
星が輝いていた



頭ん中、お前ばっかなんだけど

110325.

title:確かに恋だった




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