おお振り(短編) | ナノ








「今日はいい肉の日だね!」
「・・・その前にもっと大事な日だろ。」


えーなんだろう?と明らかに俺の誕生日だと
分かっていてワザといい肉の日だとか言う毎年
お決まりのパターンだ。


「いい加減飽きた。」
「えー!!!お肉食べいこうよ!
ついでに泉も祝ってあげるから!」
「俺がついでなのかよ!肉だろうが!」


毎年毎年、俺より肉かよ。
まあ、告白したときも、好きだなんて
言われたことねーから、不安ちゃあ不安
だけど。


「じゃあ、今年は泉にする。」
「・・・なんだよ急に。」


そのままコイツは俺を抱きしめて
そのまま何も言わなくなって、変に
どきどきしてきた。


「・・・?!」
「・・・」


そういえば、こいつから抱きしめるとか
今までなかったからどうしたらいいのか全く
分からず固まっていると、抱きしめられている
手が離れて、近づいてきたと思う間もなく唇に
柔らかい感触が残った。


「泉、今まで、恥ずかしくて言ったことなかったけど、」
「・・・お、おう。」
「だいすきです。」


照れ笑いながら言った彼女の
だいすきがずっと俺の中でリプレイ
されていて、今日は眠れそうにない。



きゅんときた


(最高のプレゼントは)
(お前の言葉と唇で)

20121129.
胸キュンしたい。







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