大輔くんたちの元へ向かうと、2人は崖に磔られていた。崖の上ではダサいマントにダサいサングラスのダサい格好をしている男の子が嘲笑っている。え? もしかしてあれがデジモンカイザー……? 思っていたのと違う……。ダサい……。
「レッドサン!」
ブイモンに襲い掛かろうとしていた黒いリングを、ホルスモンがビームで破壊した。
「何っ!?」
「大輔ー!」
「京!」
大輔くんが嬉しそうに声をあげた。
「助けに来ただぎゃあ!」
「助かったぜ!」
その間にディグモンがブイモンを救出する。
「ふん……」
カイザーが鼻を鳴らし、後ろを振り返ると、そこにはテイルモンが待ち構えていた。
「ここから先は通さないわ!」
「ふふふふ……」
「賢ちゃんには、指一本触れさせない!」
「ネコパンチ!」
「うわあっ!」
そう緑の芋虫のようなデジモンが果敢にテイルモンに飛び出したが、呆気なくパンチを決められる。その際芋虫はカイザーに当たってしまい、その衝撃で大輔くんのデジヴァイスとDターミナルを手放した。
「しまった!」
「さんきゅー!」
京ちゃんはしっかりとそれをキャッチした。
「邪魔だ!」
カイザーは苦し紛れに、鞭でテイルモンを下へ落とした。
「いでよ、スナイモン! モジャモン! ドリモゲモン!」
その号令でスナイモンたちが構え始めた。私たちは下からその様子を見つめていた。
「デジモンカイザーめ!」
「はい!」
「お、サンキュー!」
京ちゃんは大輔くんにデジヴァイスとDターミナルを渡した。
「よーし、反撃開始だ! 行くぜ、ブイモン!」
「おう!」
「デジメンタルアーップ!」
そう大輔くんがデジヴァイスを掲げると、ブイモンが光を放った。
「ブイモン、アーマー進化! 燃え上がる勇気、フレイドラモン!」
「京さん、しっかり捕まって!」
「オッケー!」
「とうっ!」
その後ホルスモンは、上空にいるスナイモンの元へ向かった。
「黒いリングを壊すんだ! そうすれば、みんな正気に戻る!」
「了解!」
ホルスモンはフレイドラモンにそう返事をした。
「逃がさんがや!」
ディグモンは地中に潜るドリモゲモンを追った。
「アイスクルロッド!」
モジャモンがこちらに氷柱を飛ばした。それにフレイドラモンが立ち向かう。
「氷には炎だ……!」
フレイドラモンはそう呟くと、手で氷柱を掴み溶かした。
「うおお……」
「ナックルファイヤー!」
怯んでいるモジャモンに、フレイドラモンは炎を放った。
「うわあああ!」
モジャモンの全身は燃え上がってしまったが、無事黒いリングは破壊される。私たちはわあっと歓声をあげた。
「やったぜ、フレイドラモン!」
その間にホルスモンとディグモンも黒いリングを壊したようで、晴れ晴れとした様子でこちらに戻ってきた。みんな、お疲れ様!