07


班の担当の上忍に呼ばれて班員のヨウ、フユキと指定された場所に集まる。全員が時間ピッタリに集まると、先生は切り出した。

「お前らには中忍試験を受けてもらう。」

「!!」

ヨウとフユキがやった!と叫ぶ。かくいう私も嬉しかった。力を認められた気がして。それに出世できるのは単純に嬉しかった。しかし、私たちの喜びとは別に先生の表情は曇っていたことに、私は気づけなかった。この時、先生の感情を読んでいたら、とあとから私は思い知ることになる。

……

「聞いて靴下ー!」

僕を助けてくれた少女、なまえが嬉しそうに僕を抱き上げる。お前しょっちゅう僕の家(もとい我愛羅の家)にくるけどそんなに来て我愛羅迷惑じゃない?僕に会いたいのはわかるけどさあ。と思ったけど、我愛羅はなにも言わないのでいいのかな。マア、我愛羅がいない時はお前が世話してくれる献身的な態度とお前の膝の上に乗るのは好きだから許してやらないこともないよ。僕は降ろせ、とにゃーと鳴いた。
なまえは素直に従う。僕はいそいそとなまえの膝に乗る。うん、こいつの膝の上は格別だね。

「中忍試験受けることになったの!ね!我愛羅!」

なまえはひと一人分あけて隣にいる我愛羅に話しかける。我愛羅は興味がなさそげにしている。ねえ、君たちがいなくなったら僕の世話は誰がするの?そうなまえに聞くとなまえは「テマリさんとカンクロウさんのお手伝いさんが世話してくれるよ」と答えた。知らない人に世話されるのは嫌だけど、仕方ない。妥協してやるよ、そう鳴くとなまえは苦笑した。

「中忍試験が終わったら我愛羅と一緒に結果報告しにくるね!」

約束だからね、気をつけて行ってくるんだよ。でも我愛羅がいれば安心かな。そう言うとなまえは「なにそれー!?」とご立腹だった。我愛羅は可哀想なものを見るような目でなまえを見ていた。我愛羅はなまえが人間以外の動物の心を読めることを知らない。

……

中忍試験の一次試験。私は意識を集中させる。1人ずつ心を読んでいくつもりだったのに、その場にいる全員の心が見えてしまって、動揺する。……能力が強くなってる。(私のこれは血継限界なのだろうかと疑ったことがあったけど、それなら私の両親があれほど恐ることはないだろうから多分違うと結論づけた。)しかし、まだ不安定なようで長くは続かなかった。でも、誰がカンニング用の中忍かはわかった。私はカンニング用の中忍に意識を集中させる。そして、同じ答えをテストに写していく。ヨウとフユキは大丈夫だろう。2人とも優秀だし、カンニングくらいそつなくこなすだろう。
最終問題、試験管が脅しをかけてきたけど、心を読める私には関係なかった。ヨウとフユキと砂の三兄弟もこれくらいで辞める度胸の持ち主じゃないし大丈夫だろう。

そして一次試験は突破した。

二次試験はすぐに行われた。天、地どちらかの巻物が渡されるらしいけどどちがどの班に渡されるのかはわからない。わかったら楽なのになあといつの間に私の肩で一休みしている小鳥に心で話しかけてみる。

「(見てきてよ)」

小鳥はピクリと動いて、「了解、まあ羽休めぶんの仕事はしますよ」と鳴いた。私は吃驚した。だって今まで私の心を伝えることはできなかったから。小鳥は小屋の後ろの木にとまって、覚えてる範囲で私に教えてくれた。充分だ。

死の森に入って2日、天地の巻物を揃えて塔に向かう。そこには我愛羅たちがもう既にいた。

「え!?早くない!!?」

私たちも早いほうなのにと驚く。

「たまたま襲ったやつらが天の書だっただけじゃん」

あ、そうなんだ、と納得する。それはそうと私は試したいことがあった。動物にはできたけど、人間にはできるのかな?……できたらいいな。それで、びっくりしてね。

「ちょっと失礼」

私は我愛羅の側頭部あたりを両手で包み込んだ。

……

「ちょっと失礼」

そう言ってなまえは俺の側頭部あたりに手を添える。一体なんだ、不用意に触るなと文句を言おうとしたその時、温かいような、ムズ痒いようななにかが流れてきた。

“大好き”を全身から感じるような妙な感覚で、俺の頬は瞬時に熱くなった。あまりの衝撃に目を見開く。

俺はとっさになまえを床に押さえつけて腕をキメる。周りは何事かとザワついた。なまえも「痛い痛いー!」と悲鳴をあげた。

「ちょっ!我愛羅離して!!」

俺はハッとしてなまえを離す。解放されたなまえは「痛たた」と立ち上がった。俺はなまえをギロリと睨んだ。

「……何をした」

「あっ!成功した!?やったー!!」

なまえは俺の耳元で「愛しいって感情を流してみたんだよ」と小声で言った。……できるようになったのかと少し驚く。耳元から離れたなまえの顔はほのかに上気していて、照れているんだということがわかる。公衆の面前でなにをしてくれるんだ、と思う自分がいて焦る。二人きりならいいのか?あのムズ痒い、甘い感覚をもう一度味わいたいなんて認めたくなくて、俺はまたなまえを睨む。

「……二度とするなよ」

「えー、やだ」

ひひっとイタズラっ子のようになまえは笑う。なまえの班員は怖そうに俺たちを遠巻きに見ていた。










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