芯side2



 畑 添都って、誰だっけ。 
知りたくて、紬にメールを打つと、ソッコウで返ってきた。
“畑 添都が誰だって?
 おまえ、クラスメートの名前ぐらい覚えとけよ(笑)
 添都はお前も席近いだろ? んじゃ、またな(*^_^*)”
部員の名前も覚えてなかったんだな〜。
「?黒原君?悪いけど、後よろしくね。」
「うっす。」
 よし、部活部活。

「ということで、今回は2年の善木朱鳥が書いた小説を、
今回演じる事になった。配役は、先ほど配ったプリントの通りだ。
じゃあ、台本を読み合わせしていくぞ。」
 野太い声と、女子の少し高い声が変に混ざる。
耳鳴り。耳鳴り、耳鳴り、ミミナリ………
「……じゃぁ、台本の最初から。」
「“……今も覚えているのは、海のからくて、あまい匂い。
あの頃の、夢の匂いと日々の匂い。海を見ていた、あのときの。”」
「“みす”み、みす……部長、すいません、何て読むんですか、これ。」
「“みすゞ”か?ミスズって読むんだよ。」
「“おーい、みすゞ、零見なかったか?”」

「あぁ。……じゃぁ、次。」
「部長のセリフですよ。」
「あ?あぁ、そうか。“俺はここにいるっつーの。”
「“あぁ、すまん……。おい、零。あのさぁ、”」
「“海の事なら、しらねーぞ?”」
 ぼそぼそ。
「ねぇ、やっぱり黒原先輩良くない?」
「いいよね〜!いつもは物静かなのに、演技に入ったら、なんでもしちゃうんだもん。そういえば、あたし、黒原先輩彼女いないってきいたよ?」
「え!?ウッソー!」
「ほんとだって!まじまじ!」
「でも、青樹先輩は?」
「え、それ前の噂じゃない?」
「でも、付き合ってたんじゃないの?黒原先輩と青樹先輩。」

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