紬side1



―日向 紬― 

 俺と葵依と芯と秀歌が同じクラスになり、鈴香と陸が同じクラスだ。
これ、何らかの作為が働いてるとしか思えねぇなぁ(笑)
 
「よー、隣の席だな!」
唐突に声をかけられた。
「畑、だったか?」
 こいつは……
確か、畑 添都(ハタケ ソウト)だったはず。

「添都って呼んでくれよ。」
「お、おお。俺は日向。紬って呼んでくれ。」
「知ってるよ。」
 添都は多分こいつしかできない特徴的な笑い方をした。
かさかさと気持ちよく乾いた笑い方。
添都は「よっこらせ」といって、机の上に座った。
そして、またかさかさと笑った。
「紬と仲良くなりたいんだけど。」
「?なんで?」
「おれ、意外と珍しい名前じゃん。」
「“添都”が?」
「おぉ。で、この名前のせいで
けっこー苛められてきたんだわ。」
 
そうなんだよな。親が突飛な名前をつけすぎると、子が苦労するって言うことだ。
ちなみに、俺も“紬”という珍しい名前で結構からかわれた。
 ……にしても、添都とは気が合いそうだな。
「………だから、これからもよろしくな。紬!」
「おぉ!!」

「葵依〜〜。」
「ん?」
 葵依は新しくできた友達に手を振って、首だけこっちにむけた。
「「「あーちゃん、ばいばーい!」」」
「ばいばい、知亜紀、華、菫!!」
 相変わらず人気者。初めての自己紹介で 
“……ちょ、そこ!ブーイングしない!!”
とか言って、結構インパクトある挨拶してたのに。
やっぱ、葵依には引力がある。
人を引き込んで離さない。
俺もこんな時感じるんだけどな。
前に、そんな話を鈴香としてて、葵依は
「引力ぅ??じゃ、オカーサンあたしに“月”とか
“星”とかいう名前つければよかったのにねー(^−^)」
 と笑ってた。

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