あたしは秀歌を探し出して、一緒にクラスへ向かった。
「……男なんて、大嫌い。」
「秀歌……。」
「結局、外見なのよ。誰もかれも。」
秀歌の瞳には、涙が光っていた。
教室の戸を開けると、見知った顔がちらほら。紬は芯と一緒にいるし……
おかげで女子が2人に大注目してるじゃん。
と、いうことで。
「紬〜〜今日、一緒に帰ろぉ〜」
「あー、いいよ。」
紬は、ふっと笑って、あたしの頭に手を置いた。
頭に手を置くのは、紬の癖。
ふふ。と笑っていると、だれかとぶつかった。
「あ、ごめん。」
振り向くと、静かな海を思わせるような顔立ちと
雰囲気を思わせる子が其処にいた。
その子は手提げ袋の中に入っていたスケッチブックに
“大丈夫” と書いていた。
「何て名前なの?」
また書く。スピードは超速い。
“海堂海月”
「みどう…みづき?」
“カイドウ クラゲ”
―これが、あたしと、海月の出会いだった。
▼ ◎