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「吉野の遺品だ。受け取り手が今日中に現れないと全部焼くらしくてな。だから、お前が引き取れ」
あの時、共に戦場にいた友人から手渡されたもの。30センチ四方の箱は箱の重みしか感じないほどに軽く、胸に、ただ虚無感だけが響いたのをよく覚えている。
あの部屋を片付け、それをあの小さな箱に収めて持ってきたフリーレンの気持ちを察する。
けれど、彼は言っていた。
―――この遺品を、あいつが死んだと伝え遺族に会わなくてはならないお前を想うと、弱音など吐いてはいられない、と。
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