祓ったれ本舗 | ナノ



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「君達3人で出た雑誌が売り上げいいと聞いてね。すぐ声を掛けさせて貰ったよ」



そう言ったのはCMディレクターだった。
雑誌が好評だったらしく、今回のCMに私と祓ったれ本舗の2人が呼ばれた。

CMディレクターの話を聞いた後、2人が私に話しかけてくれた。



「この間ぶりだね」

「ま、狗神さんと俺らが呼ばれるのは当たり前だよなー」

「あれ?悟。芸人の仕事かよって言ってなかったかい?」

「…言ってねーし」

「ふふっ。今日もよろしくお願いします」



私はそう言って準備をする為に謙弥の元へ向かう。
今回は衣装チェンジがあるから謙弥は気合いが入っていた。

最初は五条さんと2人でのシーンらしく、白をベースとしたドレスを着て明るく楽しい感じを出したいとCMディレクターは言っていた。



「白ベースだし隣に立つのが五条悟なら少し目元にブルーを入れても良さそうだな。」

「お兄ちゃん楽しそうだね」

「楽しいよ。小夜を綺麗に出来るのが生き甲斐なんだからな」



そう言って謙弥は嬉しそうに笑った。


◇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◇


準備が終わってスタジオに戻り、五条さんに声を掛けると五条さんは振り向くと数秒の間私達は見つめ合う。

白のタキシードを着た五条さんは本当に王子様かと思ってしまうほどに綺麗でかっこいい。

これは表現力でカバーしなきゃ五条さんに負ける。



「わ、私負けません!」

「え?あ、え?」



私が言った言葉に五条さんは驚いていた。
そしてグリーンバックに2人で立つ。

楽しくて明るい感じ…自由に動いていいと言われ悩んでいた私はチラッと五条さんを見ると緊張しているのか表情が固くなっていた。



「緊張してます?」

「CMは初めてだし…狗神さん…可愛い、し…今までで1番緊張してる…」



怒られてしまうかもしれないけど私はそんな五条さんが可愛く思えて手を握る。



「は?」

「明るく楽しいイメージなんですから2人で楽しく無いと意味ないんです。だから楽しみましょう!」



そう言って私がニッと笑みを浮かべると
五条さんも笑みを返してくれる。

そこからは楽しかった。
手を繋いだまま楽しく雑談をして
2人で色んなポーズをしてみたりした。

そこでCMディレクターのカットの声が聞こえて我に帰る。

私は真っ赤になりながら五条さんの手を離して「ごめんなさい!」と言うと五条さんも赤くなる。

その雰囲気に耐えられなくて次の衣装チェンジの為に急いで兄の元へ向かった。


◇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◇


次は大人っぽくセクシーな感じを出したいと言われ
黒のドレスにブラウン系の化粧をする。

あまり待たせるのは申し訳ないしと急いで準備を終わらせ、スタジオに戻る。

グリーンバックにすでに立っている夏油さんは黒のタキシードを着ていて本当に大人の男性という感じがする。

少し緊張しながら隣に立つ。



「お待たせしました」

「待ってないよ。黒も凄く似合うね」



そう言って夏油さんは微笑む。
祓ったれ本舗の2人がモデルの仕事が多い理由も分かる。

2人共モテモテなんだろうなぁ。

そんな事を考えていると撮影が再開する。
カメラマンの要望通りのポーズをしていく。

さっきとは違い、身体を絡ませるポーズが多い。
カメラマンの後から五条さんのヤジが聞こえる。



「あ゙?何か俺の時と違くね?」

カシャ

「おい!ふざけんな傑!」

カシャ

「あ゙ーーーーー!!抱き合うなバカ!」

カシャ

「だぁあああああ!それはアウトだろ!」

カシャ

「一瞬ストップするね。…五条君退場」



カメラマンがそう言うと五条さんは怒りながらスタッフ達に連れられスタジオを出ていく。

夏油さんはそんな五条さんを見て苦笑いしていた。


◇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◇


無事撮影が終わり化粧を落とし、スタジオに来た服に着替えて帰ろうとすると私の楽屋の前に祓ったれ本舗の2人が居た。



「お疲れ」

「お疲れ様」

「お疲れ様です…どうかしました?」



そう私が聞くと五条さんは何故か話づらそうに目を泳がせている。

そんな五条さんを余所目に夏油さんは話し始めた。



「これからも仕事が一緒になる事が多くなるとおもってね。連絡先を交換してくれないかな?」

「いいですよ」

「良かった。」

「俺も連絡先欲しい」

「もちろん」



そう言って私達は連絡先を交換した。
私の真後ろに居た謙弥が睨んでいたけど
祓ったれ本舗の2人は全く気にしていなかった。





ーーーーー…。




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