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「今回俺が小夜を呼んだ理由…分かるか?」
「…無断で雑誌モデルしたから…かな?」
「正解」
そう言って社長…兄の龍弥はため息を吐いた。
「兄の立場からしたらクソ面白くない。でも社長としてはよくやったと思ってる」
「え?」
「実際祓ったれ本舗は売れてる芸人だし、有名ブランドの雑誌に出たなら顔が知られるいいきっかけになる。」
龍弥も謙弥も男の人が絡む仕事を私にさせたく無いと昔から言っていたから、絶対怒られると思っていた私はキョトンとする。
「男と絡むなとは言いたいが我儘は言ってられないからな。ただ何かされそうになったりしつこい奴が居たら絶対に言うこと」
「分かった、ありがとう」
褒められた事が嬉しくて私は社長室を出た後、すぐに硝子に連絡すると硝子はお昼なら時間があるから話を聞いてあげると言っていたので一緒にお昼を食べる事にした。
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「へー。良かったじゃん。」
「本当に良かった。お兄ちゃんにも褒められたし撮影も楽しかったし!」
「今でもお兄さん2人は小夜に優しい?」
「ん?優しいと言うか過保護なくらいだよ」
「ならいい」
そう言って硝子はフッと微笑んだ。
昔から硝子はよく同じ事を聞いてくる。
なんだか色々心配してくれてるんだなと思い少し嬉しくなる。
「硝子は可愛いんだから1度くらい」
「絶対いやだ。めんどくさい」
「一緒に何かしたいのに」
「私は小夜が可愛く居てくれたらそれでいいんだよ」
硝子はいつもそう言ってくれるけど
硝子の方が絶対可愛いのにと思いながら頬を膨らませると硝子は笑う。
その後も他愛無い話をしていると、私の後から「硝子じゃん」と聞き覚えのある声が聞こえてきた。
私が後を振り向くと五条さんが居た。
目が合って固まる。
「2人とも戻ってこーい」
「は、硝子!狗神さんと知り合いだったのかよ!」
「言ってなかったけ?」
「言ってねーよ!」
「硝子は五条さんの事知ってたんだ?」
「少しね」
そう言って硝子は笑いを堪える様に震えている。
「狗神さん…ね、五条がそう呼んでるだけで笑える。」
「うるせー」
「硝子は夏油さんの事も知ってるの?」
「うん。知ってるよ」
「言ってくれたら良かったのに」
「言わない方が面白いっしょ」
「つか硝子、いつから狗神さんの事知ってたわけ?」
「…高校の時」
「はぁ!?何も言わなかっただろ!」
「だから言わない方が面白いし小夜取られるの嫌だし」
硝子と五条さんはこの後も言い合いをしていて周りからジロジロ見られて祓ったれ本舗の五条悟とバレて私達は急いでそのお店から出て帰る事になった。
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