祓ったれ本舗 | ナノ



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漫画原作の新選組トリップ恋愛ドラマ…。
私の役である沖田総士は毎回出る役では無いけど出来るだけ役を作り込む…大変だけど自分の中で作り込んで居る時が1番好きだったりする。

撮影は順調に進んでいた。
放送も開始されて視聴率もいいらしい。

今回の撮影では沖田総士がヒロインを助けるシーンがあり、そこから直ぐに戦闘に入る。

真希さんから教わった成果を出す時がきた。

髪をポニーテールにし、胸つぶしを使う。
衣装にも着替えて深く深呼吸をする。

監督のアクションの声で撮影は開始された。



「死ねぇええ」

「い、いや!」



浪人がヒロインを切り付けようとする。
沖田は浪人とヒロインの間に入り、浪人が振り下ろそうとする刀を刀で受け止める。



「別に僕はこの子が死のうがどうでもいいんだけど…」

「邪魔をするな!」

「今、死なれると近藤さんに怒られるんだよね。」



そう言って浪人の刀を弾いた後、
即座に切り付け刀を構え直す。

目の前に居る5人の浪人が今直ぐにでも襲ってきそうな雰囲気だ。

沖田は不適な笑みを浮かべ地面を蹴る。
素早い動きで一瞬で制圧する。

沖田は自分の顔についた返り血を拭う。



「もっと骨のある奴連れてきなよ。」



私が最後のセリフを言うと監督のカット!の声が聞こえて、直ぐにスタッフがタオルを持って近づいて来た。



「凄かったです!まさか本当にアクションも自分でやるなんて思いませんでしたよ!」

「ありがとうございます。」



スタッフが興奮しながら私にそう言っていると
ヒロインの子が話しかけてきた。



「狗神さん!本当に凄かったです!私、原作ファンなんですけど沖田推しなんです!本物の沖田に庇ってもらえるなんて…」

「ありがとう、でも僕は自分の仕事をしただけだから。お礼なら近藤さんに言ってね」

「ひぇ…神対応…」



しまった…役が抜けきってない。
沖田の口調で話してしまい少し恥ずかしくなっていると顔を赤らめたヒロインの子から写真を頼まれる。

私が「1枚なら」そう言うと喜びながら携帯をマネージャーから取ってきますと言って凄い速さで走っていく。

待っている間にスタッフの女性達にも囲まれた。
撮影が終わった後、帰るまでの時間は写真撮影会になっていた。


◇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◇


自分の家に帰った後、
お風呂に入りながら撮影時の事を思い出す。

戦闘シーンで動きの指導があったけど
1発目で成功したのは確実に真希さんのお陰だなぁ。
真希さんより早い動きの人居なかったし。

それにまさか私が演じる沖田の女性人気があそこまであるとは思ってなかったし…でもああやって好きって言ってくれた人が多かったのは上手く演じれていたって事だと思う。

それは物凄く嬉しかった。
私は今までより気合いを入れて演じようとお風呂場で1人、気合いを入れた。





ーーーーー…。




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