昨日由花子と約束した通り朝は私から東方君に挨拶をした。彼は凄くびっくりして固まっていたけれど嬉しそうに返してくれた。東方君達をお昼に誘った時も東方君は固まっていた。本当にびっくりしたらしく声を出さずにびっくりしたまま大きく頷いていた。
そしてお昼休みはこうしてみんなで食事をしているわけだけど…
私は由花子が作ってきてくれたお弁当を食べながら東方君の隣へ座っていた。
東方君の前には友人である虹村億泰が座っている。2人仲良く話しをしているけど東方君は私を時折ちらっと見る。少し食べづらい。
由花子を見ると由花子は彼氏の広瀬君とイチャイチャとお昼を食べている。向こうには行けないな。
「なぁ、どう思うんだよミヤはよォ〜」
いきなり虹村君に話題を振られ驚いた私は「え?」っと言いながら虹村君を見た。「甘い方がいいよな」と続けた虹村君に対して東方君が口を開く。
「ちょっと待て億泰。今、なんつった?」
「甘い方がいいよな?」
「その前だ!前!」
「なぁ、どう思うんだよミヤはよォ〜?」
「それだよ!なんで…!億泰テメェ!狗神さんを名前で…しかも呼び捨てにしてんだ!俺だってまだ…」
いきなり呼ばれた事に対しても驚いたけれど東方君の怒っている理由に驚いた。呼び捨てにされた事なんてどうでもよかったのに東方君は怒った後に何故か俯いて悲しみにくれてる。
「別に東方君も呼び捨てでいいのに」
そう私が言うと東方君は顔を上げて一瞬嬉しそうになってからボソっと照れ臭そうに「ミヤさん」と呼んだ。さんは要らないと言ったけど彼曰く呼び捨てはまだらしい。よくわからないけど東方君の慌てぶりに笑いそうになってしまった。
その後、私は2人を億泰君と仗助君っと呼ぶ事になり友人としてならこういうのもありなのかもしれないと思っていた。
ーーーそして、
何事もなく放課後になり、途中までお昼ご飯を一緒に食べたメンバーっで帰ってきたはいいものの、仗助君の危ないから絶対家まで送りたい攻撃からどうにか逃げて家にたどり着いた。そこで何かに気づいた。
いつもなら何か来ているか郵便受けを確認して家の中に入るのだけど今日はいつもの雰囲気とは違ったのだ。
なんだか不気味で見てはいけないような気がする。冷や汗も出ている。
でもこれは気のせいだ。自分の家の郵便受けを開けるくらいで何を怖がっているのか。
自分に言い聞かせながら郵便受けを開けると茶色い封筒が入っていた。それを取り、開けると
「いっ…つ」
チクリと人差し指に痛みが走り血が垂れていた。中身を見るとカッターの刃と白い紙が四つ折りになって入っていた。
怪我の原因はこれか。かなり鋭いカッターの刃は売っているものを研いでわざわざ鋭くしたのだろう。私の指先を見るとかなり深く切ってしまったようだった。
だけどそれはオマケであり、重要なのはこの手紙の中身だ。早くなる鼓動を感じながら私はゆっくり手紙を開いていく。
「な、に」
文書を見た時、心臓と脳が止まるかと思うほど痛んだ。吐き気が一気にこみ上げる。
「うそ…」
手紙にはこう書いてあった。
親愛なる我が子羊よ
吉良吉影は君が探している犯人ではない
君が勘違いするのはいただけないな
僕の事だけを考えてもらわないとね
君もそろそろ食べ頃になっただろう
そうだね君にプレゼントを贈るよ
大丈夫さ 君が死体になってから会えるよ
君の愛しのウルフより
血の文字と何かの肉片が付いたそれは異臭を放っていた。
ーーー。
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