臨時学級会
イレブンがラブレターをもらったことがシルビアにバレて、学級会が開かれてしまった。論点は返事をするか否か、である。
「断るにしても、乙女の気持ちは無碍にしちゃいけないわ!」
と熱く語るはシルビア。
「私もそう思います! きっと今頃ドキドキしながらお待ちしているはずですわ……」
と珍しく拳を握るセーニャ。
「それでいちいち返事してたら、こいつに負担かかるだろ!」
対して、反論を起こすカミュ。
「今回はカミュに同意するわ。本当にこういうの、キリがないのよね……」
とため息をつくマルティナ。
「すまないイレブン、俺はこういった経験は浅くて何も言えんな……」
一人苦々しい表情をしているグレイグと、
「ほっほっほ、青春じゃのう」
朗らかに笑うロウ。
はてさて、相手方を思いやるシルビアたちの優しさも、こちらを配慮してくれているカミュたちの優しさも、イレブンは無碍には出来なかった。どちら側の味方もできずおろおろしていたら、
「そもそも、それって返事求められてるワケ?」
というベロニカのツッコミに一同「「「確かに」」」となり、急いで確認すれば『お返事は結構です』とのことで、みな脱力してしまった。
こうして勇者一行・臨時学級会は幕を閉じたのだった。
お題『片思い』
○○を使わない140字小説お題210120
Clap
←Prev NEXT→
top