フライハイト | ナノ


扉が開いた  





友達とかそういうものをつくったこともないし、つくろうと思ったこともなかった。
人と馴れ合う暇があるなら勉強に勤しめと、必要ないと教え続けられてきたからでもある。
両親はどうやって結婚したのか実の娘でも謎だ。

ホグワーツに来るだいぶ前のこと。
勉強を教えてくれと頼まれ、ある女の子に自分の勉強の時間を削り教えたことがあった。今思い返せば人生で一番他人と触れあった時間が長かったと思う。汽車内でのドラコ達とも結構長かったが。

教え方が上手と褒められ、悪い気分にはならなかったし友達もいいかもしれないと思った。
けど、自分の勉強の時間を削ったせいで成績はいつもより下がった。両親には散々叱られた。

その日から友達は必要なものではないと確信した。




「ねぇ、上を見て」

昔の事を思い出していると後ろに並んでいた双子の姉妹に話しかけられた。2人に言われ、歩きながら渋々上を見上げた。
そこには素晴らしい光景が広がっていた。天井は透けているかのように、黒い空に星が輝いている。いくつものろうそくが空中に浮かんで4つの長いテーブルを照らしていた。
こんな綺麗な魔法はみたことない。思わず見とれていた。

1年生は副校長のマクゴナガル先生に上座のテーブルまで引率され、そこに椅子の上に帽子が置かれていた。
あれが組分け帽子か。話しには聞いていたけど結構汚いわね。まああの帽子が今までのホグワーツの生徒の組分けを行なってきたのなら当たり前なのかもしれない。

組分け帽子が歌った後、マクゴナガル先生にABC順に名前が呼ばれ、組分け帽子を被っていく。
ドラコは頭に乗せられる前にスリザリンと答えらていた。確かにドラコはスリザリン気質だろう、納得がいく。汽車での態度から十分わかる。

気がつけば自分の名前が呼ばれ、前に出た。椅子に座り組分け帽子を頭に被った。

「うむ…気質は断然レイブンクローなのだがスリザリンを希望しているようだね…」

組分け帽の言葉にレイブンクローの上級生は残念そうな声を上げ、スリザリンの上級生は歓喜の声を上げていた。まだ早いわよスリザリン。

「お母様とお父様に従う犬にはなりたくないのよ、2人に見下されたくないわ」

小声で言うと、組分け帽子は納得いったのかスリザリン!と答えた。スリザリンの上級生は歓喜の声を上げた。
スリザリンのテーブルに向かい、上級生と同級生に歓迎されると席に座った。

ロンはグリフィンドールに決まり、ポッターは組分け帽子が散々悩んだ後、グリフィンドールに決まった。
大広間は歓声で包まれた。


ああ、耳障りだわ。


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