I sincerely hate that guy.

「「新兵器?」」

屋上で昼食を取っていたアラタとヒカルとサクヤとサガラ。アラタが言った言葉をサクヤとサガラが復唱すると、アラタは元気よく返事した。

「バイオレットデビルとのバトルの為に、ドットフェイサーの新兵器を考えてみたんだ!」

そう言ってアラタはノートに新兵器を描いたページをサクヤ達に見せてきた。
メインとなる三つのバズーカ砲にビーム系の武器をつけて同時攻撃を出来るようにする。トリプルバズーカグレートシューターというらしい。アラタはわくわくしたような表情で首を傾げながらどう?とサクヤに聞いた。
それを壊すようにサクヤはあっさり否定した。

「理屈がなってないよ」
「もっとちゃんと見てくれよ!そりゃあちょっとは修正が必要かもしれないけどさあー!」
「そういうレベルじゃないよ。やっぱりLテクぐらいは読んだらいいんじゃない?」

サクヤは渡されたノートをアラタに返した。アラタは口を尖らせて不機嫌な顔をした。授業を受けないで作った武器があっさり否定されたのだ。授業は受けるべきだが。

「サガラも何とか言ってくれよー!!」
「僕もちゃんとLテク読んでないから何も言えないっスね…すみませんっス…」

どこが悪いのか全く分からなかったのでサクヤの言う通り、自分もちゃんとLテクを読むべきなんだなと実感した。
まだアラタがサクヤに玩具を欲しがる子供のようにだだこねていた。するとアラタが持っていたノートが取り上げられた。

「何するんだよ!」

見上げるとガタイの良い男子がノートを取り上げていて、その後ろに小柄な男子とアイシャドウをした男子。三人はあからさまに嘲笑していた。

「デスワルズブラザーズ…!」
「相変わらず厨二な…」
「サガラっ!!」

小声を言うとサガラはサクヤに叩かれた。
彼らはロシウス連合第13小隊。リーダー格のエリック・ルーサーに大柄なガーディ・ドーン、小柄なアーノルド・ヒッキー。
学園でも札付きの不良であり、ウォータイムでは卑怯な手を使ったりと一部ではバイオレットデビルよりも恐れられていたりもする。
ガーディがアラタが描いた新兵器を見て大声を出して笑いだした。サガラは不良でもLテクを読むんだなと思ったが口には出さなかった。

「わ、笑うなよ!」
「行こうアラタ!」
「はんっ、弱いやつは逃げるしか出来ないんだよ」

あまりにも腹が立った。サクヤは自分達の為に言ってくれたのだ、なのに弱いなどと言われてしまったんだ。お人好しのサガラでもここは引けなかった。

「不良でもLテク読むんスね、僕びっくりっス」
「なっ…馬鹿にしてんのか!!?」「サガラは何がしたいわけ…!?」

サクヤの為にと思って発言したが、更にサクヤに迷惑をかけてしまったようだ。隣でヒカルは面倒な事になったと言うかのようにため息をついた。何て人事なんだ。
アラタはサクヤの止めを聞かず、デスワルズブラザーズに突っかかっていった。

「返せよ!!」
「言われなくても返すぜ?こんなもん。」

ガーディは不敵に笑うと、ノートを躊躇なく真っ二つに破った。破り終えたノートをアラタの方に向かって投げると、大声で笑った。

「お前ら…何するんだよ!!」
「ノートが勿体無いじゃないっスか!!アラタ君なんてろくに勉強してないのに…」
「え、ちょっと待って、サガラ酷くない?」

サガラが破いたノートを拾っていると、エリックがアラタの名前を呼んだ。

「バイオレットデビルに傷をつけたくらいでいい気になるな……行くぞ。」

エリックはその一言だけ言うと、笑いを飛ばしながら去っていった。

「気にすることないっスよ!どうせああいう奴らこそすぐ倒されちゃうんスから!!」

終いにはサクヤに蹴られてしまった。本音を言っているとアラタに「サガラってこんなキャラだっけ」と言われた。
サガラは優しく微笑んで言った。

「……嫌いなんっスよ。アイツら。」




「それじゃあ、ブリーフィングを始めるわ。今日のミッションはロシウス連合の物資補給拠点.ブラックウィンドキャンプの奪取よ。参加するのは第一、第二、第五の三小隊です。」

美都が告げるとリクヤが「私達はお先に失礼します」と告げ、第三小隊が出ていき、続いて第四小隊も出ていった。
ウォータイムに参加しない小隊は戦況観覧室でウォータイムを観覧することも出来るのだ。

「ミコは戦況観覧室で観ていきますね!何と言ってもカイトさんが出てますし!」
「知ってますよ…」
「ミコト見ていくなら一緒に観に行かない?」
「はい!」

ユノとミコトはウォータイムを見ていくようでそんな他愛ない話をしていた。
他の小隊が出ていくと、美都が口を開いた。

「今回は、作戦の立案から実行まで全て貴方達だけでやってもらいます。ミッション開始は20分後、始めなさい。」

自分達だけで、急な発言に皆は戸惑いを隠しきれなかった。
サガラ呆れながら周りを見渡した。カイト率いる第五小隊にゲンドウ率いる第二小隊。カイトはゲンドウをライバル視している。なのでハルキが苦労することは目に見えていた。



I sincerely hate that guy.
(私はあいつの事が心底嫌いだ。)

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