I decided to believe you.


ユノとミコトが戦況観覧室に行けば、猿田学がウォータイムを観覧していた。彼はどの国にも所属していない中立な立場なのだ。
ユノとミコトは席に座り、モニターに目を移した。皆のLBXがもうクラフトキャリアから降下していた。ミコトはカイトのDCブレイバーを見つけて喜んでいた。

拠点の前につくと、ハルキのオーヴェインのオーキャノンで遠距離攻撃を始め、他の皆が一斉に動き出した。見張りの6機を第二小隊、第五小隊、第一小隊が次々と倒していく。
ミコトはゲンドウのDCエリアルに目がいった。同じDCエリアルなのにあんなにもスピードが早いのか。腕の問題なのか第二小隊のメカニック、リンコの技術なのか。

「アラタ、いい動きしてるじゃない。これなら簡単にミッションクリアかも。」
「見ましたか!?カイトさん、一撃で倒しましたよー!!」
「それはどうかな…」
「え…?」

猿田の言葉はユノとミコトには理解しがたかった。今日は皆絶好調なのだ。それとも、猿田はこの後のピンチを予想していたのか。

「!!!!」

第二小隊のプレイヤー岸川セイリュウが最後のLBXを倒した途端、後ろから攻撃されてブレイクオーバーした。余りにも突然な出来事に理解するのが少し遅れてしまった。戦いの最中に手を出す、こんな汚い真似をするのはデスワルズブラザーズ、ブルーグリフォン。彼らだとすぐに検討がついた。グラスター3機がジェノックの前に立ちはだかった。
ヒカルとサガラが始めにブルーグリフォンに向かって行くと、彼らはブレイクオーバーしたセイリュウの機体を盾にした。2人はすぐに動きを止めるとその隙に攻撃されてしまった。

「相変わらず卑怯な…」
「…サガラさん、何だか変じゃありません?」
「え…?」

ミコトに言われてユノはサガラを見た。先程からブルーグリフォンに全く当たらず、無我夢中にハンマーを振り回している。
サガラはああ見えて結構頭を使う方だ。ハンマーは振る度に隙が出来てしまうので彼は十分注意するはずなのに力勝負になっていた。その様子にユノも違和感を感じた。

「サガラどうしたんだろう…」

するとブルーグリフォンは正面の1機が攻撃を防ぎつつ、縦一列で突進してきた。ブルーグリフォンのフォーメーションアタック、デスグリフォンだ。
次の瞬間、後ろに居た2機が高く跳び、上から銃を浴びせ、タダシとノゾミがブレイクオーバーした。視界を奪われていたタイガは正面の機体に盾ごと突進されてブレイクオーバー。天名が言う「ウェポンの可能性は一つじゃない」はこの使い方を指したりもするだろう。

「結構強い…」
「1度に3機も…」

危険を感じ、一度引いて体制を立て直そうとしたが、1人サガラのガイアが敵に向かって行った。

「!? サガラなにやってるの!?」

ガイアは銃撃を受けながらも近づいていき、ハンマーを振り上げたところでウォータイムは終了してしまった。

「タイムアップで救われたな…だが明日はどうする…」
「あのサガラさんがハルキさんの命令を聞かなかったとは…興味深いですね」
「………」

続きは明日。ミコトはまさか猿田の言う通りになるとは思っていなかった。ユノを見ると、心配そうにモニターの方を見ていた。
ミコトはこういうのが苦手だった。心配して何になるのか。
自分はカイトがやられるわけないと信じている。
だって彼なのだから。


I decided to believe you.
(私はあなたを信じると決めた。)


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