neglect sandwiches
お昼ご飯のサンドウィッチを片手にサガラは廊下を歩いていた。第一小隊のメカニックである細野サクヤとハルキは屋上で食べてるんではないかと推測し、行くか行かないか考えた。
先程やはりハルキに怒られてしまって、ハルキは拗ねて少し避けられているからだ。拗ねるだと可愛い言い方になるかもしれない、思い通りにならなくて不機嫌だからだ。
そういえばアラタとヒカルはお昼は大丈夫なのだろうかと二人を探そうとすると、廊下から自分が住んでいるダック荘の寮長トメが見えた。何か困っている様子だったのでサガラはトメの元に向かった。

「トメさん!どうしたんスか?」
「おぉ、サガラくんじゃないかい」

サガラはお人好しな性格の為トメの手伝いをすることが多く、特にトメに覚えられていた。手伝いと言いながらもこき使われているときもある。

「学園長さんに呼び出されて来たんだが新人二人の部屋の準備がまだ出来ていなくてね」
「なるほど、じゃあ僕がちゃちゃっと終えてくるっスよ!」
「いいのかい?」
「もちろんっス!」

校門前には警備員がいる為簡単に出ることは許されないので、抜け道から神威大門を出るとダック荘に向かって走った。
アラタとヒカルの部屋となる場所に入るとカーテンがつけていなくて、ベットも敷き布団からして無くて、補給品が入った箱にも何も入っていなかった。トメは夕方までにこの全てを終わらせるつもりだったのだろうか。
サガラはブレザーを脱ぐと腕を捲り、ヘッドホンを外して首にかけた。

「さ、やるっスか」





最後にかけ布団を整えると全てが終了してサガラは身体を伸ばした。
そういえばサンドウィッチをすっかり忘れていて一口も口にしていなかった。

「お疲れさま。ありがとうねぇ。」
「いえいえ!お役に立てたのなら…」

サガラは外を見て直立不動になった。もう夕暮れ時だったのだ。だらだらと冷や汗をかいてゆっくりトメの方を振り向いて苦笑した。

「やばいっスー!!!!!!!!」

サガラは勢い良く部屋を出て全速力で走った。お昼の授業もすっかり過ぎてこの時間じゃウォータイムももう終わってしまっている時間だ。
美都に冷たい目で見られハルキにまた怒られる想像がついてお腹が痛くなりだした。
校門はウォータイムが無い生徒は帰宅するため開いていて急いでジェノックの指令室に向かった。


「遅れてすみませんっス!!!!!」

汗を流して息切れになりながら中に入った。皆の目線が痛くてサガラは顔を上げれなかった。

「今までどこに居たんだサガラ!!!」
「す、すいません、っス…!!!気づいたら、夕方、で…」

サガラはまだ息切れをしながら話そうとして一旦落ち着けと怒鳴られてしまったた。
すると第五小隊隊長風陣カイトが「ウォータイムに参加しないプレイヤーも居て転校生含めて問題児ばかりだね」と皮肉を言った。が、第三小隊プレイヤー奥ミコトがカイトを撮り出した為カイトはタダシの後ろに隠れる茶番を見せられ皮肉がどうでも良くなった。

「サガラも同じ小隊だったんだな」
「何呑気な事を言っている!サガラ!お前もウォータイムに出ないなど…」
「はいはーい、お説教そこまで」

ハルキの説教話は途中で遮られた。遮ったのは華の第四小隊プレイヤー鹿島ユノだった。ハルキを宥めるユノの姿にサガラは目を輝かせた。ハルキもユノにより高ぶった気持ちが収まった。

「ハルキは戦闘報告書を提出しなきゃならないでしょ?私とサガラで寮に案内するから。私は鹿島ユノ、二年五組の副委員長よ。」

この場を収めるとアラタとヒカルに自己紹介をした。さすが副委員長と言ったとこかきびきびした行動だった。

「じゃあ任せたぞ」
「了解っス!」
「西米良サガラ、貴方は待ちなさい。無断で授業を休みウォータイムを休んだ理由を聞きます。」

サガラはユノの方を向いて助けてと言うかのように苦笑した。だがユノでもそれはお手上げでユノまで苦笑した。

「じゃあ先行っといて下さいっス…絶対先にご飯食べないで下さいっスよ!?」
「わかったわかったって」

生徒達が出ていくとサガラは美都の元に向かって先程の出来事を話した。トメに聞けばすぐわかることだし食堂に勤務している人も自分を見たはずだ。
まあ、サボったことに変わりはないが。




「なんかサンドウィッチが置いてあるんだけど食っていいかなヒカル」
「夕食があるんだ、わかっているのか」


neglect sandwiches
(放って置かれたサンドイッチ)




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