Friendly and captaincommand


神威大門統合学園の廊下をジェノック第一小隊隊長出雲ハルキが歩いていた。
そこにハルキを追いかけてヘッドホンをした長身の少年が走ってきた。彼は先月ジェノック第一小隊に配属された西米良サガラ。
以前第一小隊は二名のプレイヤーがロストして退学となり、隊長のハルキだけが戦場に立っていたがそこでやって来たのが彼だった。

「隊長歩くの早いっスー!」
「誰も一緒に登校するなど言ってない」

ハルキに冷たく告げられサガラは不満そうに口を尖らせた。何か話題は無いかとサガラは頭をフル回転させ、見つけた話題をハルキに言った。

「転校生、楽しみっスね!!二人共第一小隊っスよ!」
「二人の件だが馴れ馴れしくしたりするなよ、お前ならやりかねん」
「えー!なんでっスか!?せっかくの新しい仲間っスよ!!」

ハルキの横を歩いていたサガラはハルキの前に立って歩くのを止めさせた。ハルキはそんなサガラにため息をついた。

「二人の気が緩むだろう」
「新しい学校に気が緩んで当然っス!!」
「サガラ」

ハルキに睨まれたサガラは怖じ気づいて仕方なく了承した。ハルキはまた颯爽と歩いていきサガラはハルキは目付きが結構悪いと小さく愚痴を溢した。

教室に入って机に鞄を乗せた。自分の席の後ろとその右が空いていた為、ここが転校生二人の席になるのだろうと考えて席に座った。
せっかくの新しい仲間なのに仲良くしてはいけないなんてどういう理屈だ。ハルキが言うには気を抜かせないようになんだろうがサガラにとっては理不尽で仕方なかった。気を抜かせなかったら別に仲良くしていいのでは無いかと考えに至ると、担任で司令官である美都玲奈が教室に入ってきた。赤毛で大きな瞳をした少年と整った顔立ちの美少年も続いて入ってきた。

「転校生の瀬名アラタと星原ヒカルよ」
「え、それだけ?」
「気楽でいい」

見たところアラタは元気そうな性格でヒカルはクールな性格だと判断した。サガラは二人の名前を心の中で復唱していた。
二人を歓迎する生徒は大していなくてライバル意識な生徒や無関心な生徒、興味を持つ生徒、様々だった。
すぐに授業は始まり板書を行っていた。サガラの目線の下で何かが転がり、床を見た。消しゴムだった。
後ろでアラタが焦った声を出していたので、アラタの消しゴムだと判断して拾うと後ろを向いて渡した。

「これ、アラタ君のっスよね?」
「ああ、サンキュー!えっと…」
「あ、僕は西米良サガラっス。よろしくっス。」
「サガラだな!よろしく!」

互いに握手をしていると教師に注意されてしまった。サガラは注意されたことよりも後でハルキに叱られるんじゃないかということの方が大きかった。

Friendly and captaincommand
(フレンドリーと隊長命令)


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