B




You know I?-悪ノリお姉様-B
2011/06/27 月 19:27
karusaku



カラフルなジュースを手に怪訝そうな表情を浮かべ、席に戻ってくる友人達。
初春は鮮やかな緑のメロンソーダ、佐天は澄んだピンクのハイビスカスティー。


『御坂さん、今、すごい音しませんでした?』

『あ、佐天さん、私も聞こえました…って白井さんどうしたんですか?』


可愛らしいチョイスだなぁとほくそ笑んでいたのもつかの間、慌てて美琴は誤魔化した。



『あ、えっと黒子がまた過激なスキンシップをしてきたから…ビリビリっとね?』

机に突っ伏したままの黒子のつむじを指先で突きながら。
美琴は何でもないのよ、ごめんねと2人に微笑んでみせる。



『白井さん…きっと大人な御坂さんに興奮しちゃってるんでしょうね。』

『白井さんらしいです。』


美琴のフォローを疑うこともなく、うんうんと頷いて。
初春に至ってはご愁傷様です…とテーブルに突っ伏す黒子に呟いていた。





(…純粋な13歳の黒子をからかうのは最高に楽しいんだけど…ちょっとやり過ぎちゃったな。)



美琴は内心で反省し、22歳の恋人に聞いてみる。
「これって浮気…じゃないわよね?黒子だし。」と。


勿論、返事は返って来ない。
返ってきたら色んな意味で恐ろしいけれどね、と。
普段は穏やかで優しいのに、怒ったら誰よりも恐い恋人を思い出して美琴は失笑する。




『御坂さん、お昼どうしましょうか?ここで済ませちゃいます?』


『あ、私はどっちでも大丈夫よ?』


(この時代のお店の事、よく覚えてないしね…。)




『佐天さん、折角ですから噂のあのお店に行きませんか?』


『そうだね!あたしも賛成!御坂さん、いいですか?』


『うん、2人に任せるよ!』



『白井さんは…聞くまでもないですね。』

顔を真っ赤にしたまま微動だにしない黒子に、佐天は呆れ顔で微笑む。


『白井さんは御坂さんが行くところならどこでも大丈夫でしょうから。』
初春も呆れ顔で微笑む。




(…そうだった。この時の私の黒子の関係って…いつもこんな感じだったのよね。何だか…不思議。)


机に突っ伏したままぷすぷすと煙をあげる黒子を眺め、美琴は申し訳ない気持ちになる。


13歳の黒子はいつもいつも美琴を想っていてくれた。


当時の美琴は、その事に気付いてはいたけれど。
自分の気持ちに素直になれなかった。



そしてこの友人達はそんな美琴と黒子を、いつもいつも温かく見守ってくれていたのだ。



『あ、そういえば御坂さん聞きました!?あの噂!』

『もう佐天さんは噂話が好きなんですから…。』

『え〜?初春だってすごいですね!って言ってたじゃん。』

『私は、それが本当ならすごいですね、っていう意味で言ったんですよ。』

『え〜?初春だって信じでたじゃん!』

『私は噂話は信じないんです!』



今も昔も変わらない大切な友人達のやり取りを見て、美琴は心がほっこりと温かくなった。
13歳の友人達のやり取りに相槌をうちながら、22歳の2人を思い出す。





仕事やら学校やらで2人にはしばらく会えてないけれど、きっと今も2人で仲良く暮らしてるんだろうな。


私も黒子も佐天さんも初春さんも、いろいろあったけれど。



今もみんな幸せで。
その幸せはずっとずっと続いていく、と確信している。






--未来って想像するだけで、わくわくするもんじゃない?




あの日、私が22歳の黒子に言った言葉。
今でもはっきりと覚えている。



あれからの未来はわくわくしたし、時には落ち込んでしまう事もあったけれど。


あの時、未来の佐天さんと初春さんに会わなくて正解だったと思う。


だって、2人が未来へ進んでいくのを私もドキドキしながら傍で見守れたんだしね。


あの時の判断は、やっぱり間違ってなかった。





『……ふふっ。』

美琴はアイスティーをストローでかき混ぜながら、小さく笑った。

『ど、どうしたんですか御坂さん?急に笑い出して。』

『ほら佐天さんが変な事言うからですよ!!』

何をー!?と初春に襲い掛かる佐天。
お花が散っちゃいます!と慌てて身を引く初春。



いつでも元気で明るくて、楽しい友人達。




『ううん、何でもないの。私、みんなに会えて本当に幸せだなぁって思ってさ。』


『…ど、どうしたんですか急に///!?』
『…み、御坂さん、どうしたんですか///!?』

佐天も初春も唖然とした表情で、美琴を見つめた。
佐天に至っては、ぶつぶつと「御坂さんが急にデレた…」と呟いている。


そんな友人達に、美琴はもう一度微笑むのだった。




『…いつもありがとう。ずっとずっと、友達でいようね!』




大切な友人達へ。
あの時は恥ずかしくて口には出せなかった、大切な言葉と一緒に。





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続くんですの!



 

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