新生クィディッチ・チーム (2)



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 シーカー選抜のテストは、あっという間に終わった。


 ハッフルパフのクィディッチ・チームの新しいキャプテンとなったエドガー・ウォルターズは、ブラッジャーを一個とスニッチを競技場に放ち、シーカーを志願した者たちに(リン以外に三人いた)誰が一番にスニッチを捕まえられるか競うよう指示した。


 三回競争をして、三回ともリンが一番にスニッチを見つけて見事に捕まえてみせた。ブラッジャーに攻撃されてできた怪我は一つもなしだった。セドリックは驚嘆の息を吐き、エドガーは結果に大満足していた。



「んじゃ、リンがシーカーってことに異論がある奴、いねぇな?」



 ほかの志願者たちを見渡して、エドガーが言った。三人のうちの一人、ザカリアス・スミスが、頭にたんこぶを作って不貞腐れた顔をしていたが、誰も何も言わない。エドガーはニカッと笑った。



「じゃあ決まりだ。リン、そっち座って、チェイサーの選抜見てろよ」



 頷いて、リンはスタンドに腰かけた。ハンナたちが駆け寄ってきて、口々にリンを称賛する。リンは居心地が悪そうにして、静かにスイを撫でた。



「ザカリアス・スミスの失敗見た? 自分からブラッジャーに突っ込んでいったわね」


「スニッチを見つけて捕まえに行こうとしたんだよ」



 ベティが嬉々として言ったが、リンが冷静に訂正した。



「彼、いい選手になれると思うよ。身軽だし、周りがしっかり見えてて、ブラッジャーとかほかの人とか上手く避けてた……スニッチみたいな小さいものを追うんじゃなくて、もっと、全体的で広い視野を活かせるポジションがいいんじゃないかな……」



 そこで一回言葉を切って、リンはフィールドに目を向ける。大きな活躍をしたらしい男子生徒が、友達から喝采を受けていた。



「……たとえば、チェイサーとか、キーパーとか」



 次の志願者がクアッフルを抱えてゴールポストに向かっていくのを眺めながら、リンが静かに言った。彼女の肩の上に乗っているスイは、ふと背後を振り返り、尻尾を振る。


 ブロンド髪の男子生徒が、真っ赤な顔を手で隠しつつ足早に去っていくところだった。校舎の方へ向かう途中でリンに視線を向けた彼と目を合わせ、スイは尻尾をもう一振りした。



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 新しいクィディッチ・チームのメンバーが決定したのは、午前十一時半だった。



「上出来だな」



 輪になって立つメンバー六人を見渡して、エドガーが満足げに口角を上げた。



「簡単に自己紹介しとこうか?」



 セドリックと、反対隣の男子生徒を振り返って、エドガーが尋ねた。二人が頷く。



「おし、じゃ、俺からだ……五年生、ビーター、キャプテンのエドガー・ウォルターズだ。エドでいい。これから一緒に頑張ろうな」



 手を上げてメンバーに笑いかけたあと、エドガーは左隣のセドリックを見た。



→ (3)


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