帰還した者たち(4) ** その日は、てんやわんやの大騒ぎだった。リンには嬉しいことだらけで、わけが分からなかった。 ジャスティン・フィンチ‐フレッチリーが無事帰ってきたこと。 ハーマイオニー・グレンジャーが「ハリーたちを手伝ってくれたのよね! ありがとう!」と抱きついてきたこと。 ハグリッドが明け方に現れて、リンの頭を撫でたこと。 期末試験がキャンセルになったこと。 ロックハートが学校を去ったこと ――― これには多くの生徒と先生方が喜び、ベティに至っては、雄叫びを上げながらのガッツポーズを決めた。 「……でもやっぱり、貴方が戻ってきてくれたのが一番だよ」 肩に乗せたスイを撫でながら、リンは囁いた。 「帰ってきてくれて、ありがとう」 「……ボクからしたら、待っててくれてありがとう、だよ」 スイは肩の上で立ち上がり、そっと、リンの耳に顔を寄せて囁いた。 |