To the presence…


 
「…ん……今、何時だ?」


 ふと目が覚めて布団の枕元にある時計に目をやると、まだ夜中の1時過ぎ。窓の外を見ると見事な満月が出ていて明るく部屋の中を照らしていた。勿論俺のすぐ横で規則正しく寝息をたてている万事屋もはっきりわかる程明るく照らしている。


「んー…」


 寝返りを打ち布団から出た万事屋にふと笑いが漏れ布団をかけ直してやろうと手を伸ばすが、その手は宙で止まり俺の目は万事屋の体を嘗めるように見る。





【To the presence…】





 万事屋の体には有り得ないほどの情事の痕が刻み込まれている。それは俺が付けたもんなんだが、いつ見ても万事屋の白い体に映えてすげぇエロい。宙で止まった手を万事屋の体に下ろすと、微かに体が跳ねたのがわかった。情事の痕を一つずつなぞっていくと規則正しく呼吸をしていた口からは段々と喘ぎ声に似た声が漏れてくる。


「ふ、ん…ふぁ…」


 だが一向に起きる気配を見せない万事屋に面白くなった俺は万事屋の下肢に顔を近づけると、無数にキスマークが付けてある内腿に更にキスマークを付けていく。が、それでもまだ起きる気配がない。

 どんだけ熟睡してんだよ。

 と思って気がつく。

 あれだけ俺に抱かれてりゃあ嫌でも体力を使って疲れて寝ちまうよな。

 なんて暢気に考えるがついさっきまでヤってたせいで俺も万事屋も何にも着てなくて、そんな状態の恋人目の前でほっとくほど俺の理性は強くない。少し触れただけで起きるならあいつがキツイっつーから素直に止めてやろうかと思ったが、それがまったく起きないもんだから俺は段々と面白くなくなってくるわけで。


「こんな姿で俺の目の前で寝てんのが悪ぃ」


 と万事屋の所為にして露になっているモノを口に含む。くちゅ、とわざと音を立てながら舌を絡め根元まで飲み込みゆっくりと扱いていくと敏感なモノはあっという間に立ち上がり質量を増し先走りがだらだらとモノを伝い落ちた。
 びくんびくんと脈打つモノはすっげぇ熱くて、フェラなんて万事屋にされた事もした事もねーからな、今度させてみるか、なんて考えながら裏筋舐めて尿道口を舌でぐり、と捩じ込むようにするだけでモノは俺の口の中で弾けた。
 そこで自分の異変に気づいたのかようやく万事屋が目を覚ました。


「ん……?っ!!?なっ…てめっ何やっ…ぁあ!っん」


 自分が置かれている状況を把握した万事屋は俺を引き離そうとするが、そんなことを俺がさせるわけない。こいつの弱いとこなんて知り尽くしてる俺にとってこいつを黙らせることなんて容易いことだ。
 ねちゃ、と口の中で絡まる精液を軽く飲み込んだら、まだ口の中に残る精液を塗りつけるようにモノを咥えていく。喉を使い、亀頭を甘噛みするだけで体はてめぇの意思とは関係なく反応する。
 「嫌だ」「放せ」を繰り返す万事屋を尻目に俺はじゅく、ぐじゅ、と淫らな音をたてながら口で万事屋を犯していく。


「ふぁっ…んンぁ、あぁぁあ!ゃあ、あ、んくぅ…」


 諦めたのか抵抗するのを止め、俺が与える快楽に素直に感じる万事屋をちらりと上目遣いで見ると感じすぎて涙で潤んだ瞳と目が合った。

 んな顔で俺を見るなよ…。

 じゅく、と根元まで飲み込み先走りさえも零さねーように緩急をつけて唇で扱くと2度目の射精。


「飲む、なよ…」


 荒く息をしながら俺に言った万事屋に見せ付けるように吐き出したものをねちゃ、とやらしい音をたてながら舌に絡ませ飲み込めば、万事屋は俺から顔を背け耳まで真っ赤になってんのが丸わかりで余計にそそられる。
 指で糸を引く唇を拭い無理矢理万事屋を振り向かせて唇を重ねた。


「んンっ…やめ、ふぅっ…んっ」

「自分の味はどうだ?」

「っ…最悪に決まってんだろ。俺が気持ちよく寝てたっつーのに…目覚め悪ぃ…」


 はぁ、とため息をついた万事屋に俺はにやりと口端を上げて覆いかぶさり息が直接かかるくらいにまで顔を近づけると、より一層顔を赤らめた。


「悪ぃなら俺が良くしてやるよ」

「は!?ん!…ん、んン…ゃあっ…っ!ん、ぁ、んぅ」


 唇を重ね、舌を吸い上げれば万事屋の体は振るえ薄く開いた瞳は潤んで、肌は白くはなくなっていてほのかにピンク色に上気していた。

 やっべぇな…。抑えきかねーわ。


「ふんン…んぅ、ん…っ、あ…?」

「んな名残惜しそうにすんなよ」


 唇を放すと俺は言った言葉と心ん中じゃ違うことを思っていて、物欲しそうな顔…と聞こえないように呟いていた。
 乾いた指で唇をなぞってやるとぺろりと指を舌に絡められ口腔に引き寄せらた。


「何だよ。積極的じゃねーか」

「てめーの所為で眠れなくなったんだよ!最後まで面倒みろよな!」

「……当たり前だろ。こんな状態のお前をほっとくほど勿体ねーことはねーからな」

「ばーか。何恥ずかしいこと言っちゃってんだよ」

「んな煽ってくんな。優しくしてやれなくなる」

「別に、いんじゃね?」

「…そんなこと言ってられなくなる程喘がせてやる」

「なっあ、あぁあ!ちょっ、まて、ゃああ!」


 言い終わる前にはもう俺の指は中に滑り込むように突き入れて、ついヤったばっかだからかすんなりと指が入っていきぐちゅぐちゅと中を掻き回す。
 万事屋の一番敏感なところを探り当てそこばかりを執拗に押しつぶし引っかき撫でると前からは血管浮き立たせたモノからだらだらと先走りが溢れてきた。


「何?前も触って欲しいのかよ」

「んぁあア!や、うぅ、ふっん!さ、触って、んぁ…欲し…ぃや、あアっ」


 俺はその言葉を待ってましたと言わんばかりに後ろに入れてる手とは反対の手でモノを掴み上下に擦っていく。先走りを塗りつけるように広げれば手の中でより敏感に反応していくのがわかり、無意識のうちに笑いがこみ上げる。


「ベトベトだな。ほら、見てみろよ」

「やっ…んぁ、あ、あぁぁあ!」


 見てみろって言って先走りで濡れた手を万事屋の目の前に持っていたら目をぎゅっと瞑り視界を閉ざした。


「見ないのかよ」

「誰が見るか。このばか」

「さっきからばか呼ばわりかよ」

「ひぅっやっま!あっあぁああ!!あー、んやっふ、ぅあア!」


 指を引き抜き万事屋の脚を肩に担いで体勢を整えたら俺の欲望の塊で一気に突いた。

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