4月に入って何日かたった今日、信じられないくらいにきれいな晴れ。
太陽はまぶしく、風があたたかい。
今朝、ボンゴレという名の組織の一部で会議が開かれていた。
ボンゴレの十代目ボスは、それを知らない。
「え―、緊急会議を行う。今朝、わたしのケータイにルッスーリアから44件の着信があった。しかしわたしは眠気に負け、出てやることができなかった。44件からぴったりとかかってこなくなった彼女からの電話、かけ直すべきだと思う者は手をあげろ。以上。」
「なんでルッスーリア?」
「わからない。山本、君には電話がきたかな?」
「きてねぇな。」
「そうか。」
「44件…、ヤロ―、呪いをかけやがったか!!」
「悪いが隼人、君はジャッポーネの呪術にとらわれているようだ。それは断じて、ない。」
「ねぇ、こんな会議、意味があるの?」
「恭弥、君にはわからないだろう。朝さわやかに目を覚まそうとしたって、わたしはね、恐怖によって起き上がることができなかったんだ。眠気に負けたというより、自ら布団をかぶりこんだ。そういうことだよ。」
「…君、ひとりで居るのが怖いからみんなを集めたんだね?」
「世にも奇妙なコーリングだったんだ。しょうがないと思ってくれ、わたしのために。」
「…ルッスーリアに、気にいられてるの?」
「クローム。今日もかわいいね。そうだ、わたしは彼女に気にいられてしまっている。」
「…彼って、彼女なの?」
「彼女は、彼女さ。」
「そういえば、俺の携帯にも44通メールがきていたな。」
「了平、それはほんとうか?」
「本当だ!内容は読んどらんな。気味が悪くて読まずに消したぞ!」
「君は黒ヤギさんか?しょうがないな。そういえばランボはどうした?」
「トイレ掃除中だな!」
「またあいつは、健気だな。」
「なに、してんだばか。」
「…ミスター綱吉。なぜここに?」
「直感。で、なにしてんだ。仕事しろお前ら。」
「…だって、ルッスーリアが、」
「あぁ、」
長々と続いた議論は、本来ならばこの会議には出席しないはずのボンゴレ十代目ボス、沢田綱吉によって中断するを余儀なくされた。
やわらかく微笑むが、目が鋭いのが気になるところだ。
ため息まじりに感嘆詞を読み上げ、右手をひらりと上向きに扇がせる。
「今日、オカマの日だからね。」
4/4。
シガツヨッカ。
ヨン/ヨン
よんよん
(オカマの日なのよんっ♪)
「って、ルッスーリアが昨日うかれてた。」
IKK●さんもびっくりだと思った。
絶対今日、ルッスーリアは仕事から帰ってきたらお友達集めて飲みに行くんだろう。
そしてわたしは、彼女になにか記念品でも用意しておいたほうが良いのだろうか。
「いいから仕事しろ。ルッスーリアのぶんまで。」
「…彼女にとっても優しいんだね。惚れてるの?」
「ばか言え。」
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