朽木姉 過去 | ナノ

苛立つ理由は理不尽なのか運命なのか


(4/23)




「何なのあの金パツ!!!!!」

「調子乗りやがって!!!!」



だんだんと地団駄を踏む。脳裏に焼き付いているのは、勿論金髪関西弁である。

「あんなのが隊長なんて信じらんない!!有り得ない!!」

「そう思うよね?!夜一!」

ストレスで興奮気味の私に、夜一は否定も肯定もせずに「荒んでおるの、雪音嬢」と笑った。

彼女は、私の事を雪音とは呼んでくれない。

まだまだ一人前とは言えない朽木家の姉弟に対して唯一「雪音嬢」「白哉坊」と言っている人物である(白哉はどうもそんな夜一が好きになれないらしい)



「わしも雪音嬢と同じような立場じゃからの」

「お主の気持ちを否定はできん」

「じゃが平子の言っていることも一理ある、とは思うのじゃ」



しかし、最近常にカッカしておるぞ。と豪快に笑う夜一に、私は「分かってるよ!!」と楯突く。

分かっているのだ。

自分が逆らえない運命に怒りを覚えている事も。

怒ろうが、逆らおうが、私の人生は何も変わらないという事も。

そして、真子の言う通り、分かっているのに分かっていないフリをする餓鬼だという事も。



「夜一のバカ!!もう帰る!!」

バン!と襖を乱暴に開ける。




「おッ、と」

豪快に真正面からぶつかったのは、恐らく二番隊の隊員だろう。

「スミマセン、お怪我は?」

「ねェよ!バーッカ!!」


とにかく当時の私は、死神に、尸魂界に、世界に、

無性に腹が立っていた。





 
- ナノ -