苛立つ理由は理不尽なのか運命なのか
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「何なのあの金パツ!!!!!」
「調子乗りやがって!!!!」
だんだんと地団駄を踏む。脳裏に焼き付いているのは、勿論金髪関西弁である。
「あんなのが隊長なんて信じらんない!!有り得ない!!」
「そう思うよね?!夜一!」
ストレスで興奮気味の私に、夜一は否定も肯定もせずに「荒んでおるの、雪音嬢」と笑った。
彼女は、私の事を雪音とは呼んでくれない。
まだまだ一人前とは言えない朽木家の姉弟に対して唯一「雪音嬢」「白哉坊」と言っている人物である(白哉はどうもそんな夜一が好きになれないらしい)
「わしも雪音嬢と同じような立場じゃからの」
「お主の気持ちを否定はできん」
「じゃが平子の言っていることも一理ある、とは思うのじゃ」
しかし、最近常にカッカしておるぞ。と豪快に笑う夜一に、私は「分かってるよ!!」と楯突く。
分かっているのだ。
自分が逆らえない運命に怒りを覚えている事も。
怒ろうが、逆らおうが、私の人生は何も変わらないという事も。
そして、真子の言う通り、分かっているのに分かっていないフリをする餓鬼だという事も。
「夜一のバカ!!もう帰る!!」
バン!と襖を乱暴に開ける。
「おッ、と」
豪快に真正面からぶつかったのは、恐らく二番隊の隊員だろう。
「スミマセン、お怪我は?」
「ねェよ!バーッカ!!」
とにかく当時の私は、死神に、尸魂界に、世界に、
無性に腹が立っていた。
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